むし歯はどうして出来る?
本日は、中村輝夫先生の著書『食は一生~そのための「歯」の本』よりお届けいたします。
◇むし歯はどうしてできる?
歯に張り付いた細菌が砂糖などの炭水化物(米、うどん、パンなど)から酸を発生させ、その酸が歯質を溶解してむし歯が発生します。
よって、歯面に細菌が付着していなければむし歯は出来ません。また炭水化物の中でも砂糖は酸の酸性させやすさが断トツに高いので、砂糖を摂取しなければむし歯は出来にくいのでs。
ステファンカーブと呼ばれる歯垢のPH曲線をえがいたグラフがあるのですが、グルコース《砂糖水》を口に含むと、数分も経たずにPHが5以下になっているのがわかります。細菌はすぐグルコースを分解して酸を作ってしまいます。
この実験では、2回目にグルコースを口に入れる前に左側だけしっかり歯磨きしたので、右側のPHは1回目と同じように下がっているのに、左側は下がっていません。細菌を除去できれば、たとえ砂糖水を口にしても、むし歯の心配はいらないのです。
砂糖自体は歯を溶解しないので、砂糖水の中に歯を浸していてもむし歯は発生しません。細菌にも歯を溶解する力がないので、砂糖が入っていない真水の中に歯を浸して細菌を入れてもむし歯は出来ません。 しかし、砂糖水の中に細菌を入れるとむし歯が出来ます。
お米が酵母菌によってアルコールになるように、細菌は生きていくためのエネルギーを得る作業として砂糖を分解しますが、その結果生まれる酸によって菌が溶解するのです。くどいようですが、むし歯を作るには砂糖と細菌の組み合わせが必要なのです。
参考文献 食は一生~そのための「歯」の本 中村輝夫著 東京図書出版
最近のコメント