パニック障害の治療
本日は、渡辺登先生の著書『パニック障害』よりお届けいたします。
◇パニック障害は薬での治療が中心~ほとんどの人が治るか改善する~
パニック障害の治療は、薬物療法が中心です。薬の効果はとても高く、パニック発作を抑え、予期不安の症状を改善する働きがあります。
個人差はありますが、三~四週間に服用で効き目が現れ始め、ほとんどの人が普通に生活できるようになります。軽症の人の場合では、完治してしまうことも珍しくありません。
広場恐怖のある人には薬物療法と併用して行動療法《下記参照》が有効です。薬だけよりも治りが早くなります。
時々薬に対して抵抗感を持つ人がいますが、パニック障害の薬は怖いものではありません。心配なら医師に相談し、医師と二人三脚で治療しましょう。
◇行動療法~徐々にふつうの生活に戻していく~
行動範囲を狭め、ついには外出出来なくなってしまう広場恐怖。少しづつもとの生活の戻して行くには、勇気をもって、一歩を踏み出さなければなりません。行動療法はそのための治療です。
★誤った思い込みを修正する
多くのパニック障害の人は、広場恐怖に苦しんでいます。その恐怖は、誤った思い込みでできあがったものに過ぎません行動療法とは、恐怖の対象へ少しづつ近づいていって、誤った思い込みであることを認識させ、恐怖を克服していく治療です。
★恐怖の対象へ少しずつ近づいていく
行動療法では、まず、「一人で電車に乗れるようになりたい」など、具体的な目標を設定することからスタートします。
次に、その目標をいくつかの小さな段階に分けて、一番楽な物から挑戦していきます。そして、その場所に慣れることが出来たら、次の段階へと進んで行きます。
大切な事は、一つ一つの段階で、ここに来てもなにも起こらないのだということを確認することです。このようにして、恐怖の対象を一つづつ克服し、普通の生活を送れるようにしていきます。
◇こんな治療法も
★認知療法
うつになると、ものごとを自分にとって悪いほうへと受け取りがち。治療者と対話をしながら、考え方(認知)のゆがみを修正していく方法。考え方のゆがみは、病気の快復を妨げたり、自分で自分のストレスを増やしていることもある。
★自律訓練法
一種の自己暗示をかけて、心身の緊張をほぐしていく方法。心身の緊張や不安をとり、ストレスに対しても強くなる。習得するにはある程度の練習が必要だが、リラックスする方法を主簿得るだけでも有効
参考文献 パニック障害 渡辺登著 講談社
最近のコメント