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2009年4月10日 (金)

歯周病と口臭は関係があるの?

本日は、宮崎秀夫先生と八重垣健先生の編集された『口臭ケア』よりお届けいたします。

◇歯周病は口臭の大きな原因です。

歯周病の口臭には、臭いの程度や種類に多くのバリエーションがあります。しかし、いずれも生理的口臭に比べ、臭いが強い傾向にあり、発見は容易です。介護が必要でない人の口臭でさえ約2/3は歯周病が原因ですから、要介護者は、歯周病には特に注意しなければなりません。

もし、要介護者に強い口臭が認められたなら、まず歯周病を疑って歯科医師の診察をうけましょう。口臭は歯周病発見のバロメーターです。

◇歯周病と口臭の関係

実は、釈迦やヒポクラテスの時代から、歯周病は口臭の原因だと言われてきたのですが、その関連性が化学的に明らかになったのは、ごく最近のことなのです。

歯周病の重症度を示す方法の一つに、歯肉出血指数というものがあります。歯周病になると、炎症を起こした歯肉から出血がみられますが、これは、出血の度合いにより炎症を評価するための指標になります。

歯肉出血指数を用い、歯周病の程度により計4グループにわけ、口臭の原因物質である口腔内空気中の揮発性硫黄化合物(VSC)の濃度を比較してみました。すると、出血指数が増えるにつれ、VSC濃度が著明に上昇します。すなわち、歯周病の患者さんは歯周病でない人より口臭が強く、その強さは歯周病の重症度に比例するといえます。

◇歯周病からくる口臭の原因

それでは、なぜ歯周病が、強い口臭の原因になるのでしょうか。理由の一つは、歯周病原菌にあります。同じ種類の細菌ながら、歯周病原性のあるものとないものでVSC産生能を比較すると、病原性のあるVSCは(メチルメルカプタン)を大量に産生することがわかります。

また、歯周病では、歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)また多くの白血球にはVSCの原料となる硫黄成分が多いため、口臭が強くなると考えられています。実際に唾液中の硫黄成分は、歯周病の重症度に従い増加します。

ちなみに、歯周ポケットから大量に出てくる浸出液中のアミノ酸の成分を調べますと、メチルカプタンの材料であるメチオニンが多いことが分かりました。

参考文献 口臭ケア 宮崎秀夫・八重垣健 編集 医歯薬出版  

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