歯肉出血や腫れ
本日は、花田先生、井田先生、野邑先生の著書『むし歯・歯周病』よりお届けいたします。
◇痛くもかゆくもないのに、歯の根元では歯周病がはじまっています。
歯周病は、歯を支えている骨、歯槽骨が溶けてしまう病気です。痛くもかゆくもないので、気づきにくいのが厄介なところです。
「歯ブラシで磨くと血が出る」、「歯肉が腫れている」程度のところできずくと治療も比較的簡単ですので、ちょっとおかしいなと思ったら、迷わず歯科医に行きましょう。
歯周病の治療もむし歯の治療と同じように、検査からはじまります。
まず、歯周ポケットの検査(ポケットプロービング)をします。歯周ポケットとは、歯と歯肉の間のすきまです。ここが歯周病の発生場所です。歯と歯肉がぴたっとついていれば、ポケットは出来ないのですが、もともと1mmぐらいの歯肉溝というすきまがあります。これが、歯周病のために30代半ばぐらいから徐々に深くなって、歯と歯肉の間に隙間が開いてくるのです。
3mm以上の隙間が出来ると、炎症が起き、出血します。歯周病が始まっています。
ポケットの検査ですが、中の歯垢をきれいに取り除き、歯肉の腫れがおさまってから、細い針のような器具を歯と歯肉のすきまに差し込み、歯周ポケットの深さを測り、出血のあるなしなど歯肉の状態を調べます。
それともう一つ重要なのは、X線検査です。歯を支える骨に変化がないか調べます。歯周病が歯の根元で進むと、歯を支えている歯槽骨が、自分にも害が加わることを恐れ、退却していくと思ってください。
この歯槽骨が減っていっていないかを調べるのが、X線の検査です。
参考文献 むし歯・歯周病~もう歯で悩まない~ 花田信弘 井田亮 野邑浩美 共著 小学館
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