しろくま歯科医院 WEBサイトへ

しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
calender

2024年3月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
AED
当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

最近のトラックバック

アーカイブ

リンク



« タバコの害(医療関係者向け)1 | メイン | デンタルコンセプト21 2008年例会 »

2008年12月 4日 (木)

タバコの害(医療従事者むけ)2

昨日の続きです。

★タバコの口腔内への影響

喫煙行為の影響は一番最初に口腔内に出てきます。喫煙外来のある、呼吸器科や循環器科にかかるような疾患に罹患するよりも、早くに出てきます。

タバコの煙に含まれる活性酵素による動脈硬化、ニコチンによる血管収縮作用などから、血流が悪くなり、血流の低下により直接影響を受ける口蓋側のポケットが頬側に比較して特に深く、BOPはすくない傾向があります。

歯肉はメラニン色素の沈着が進んでおり、暗紫色~黒色に変化して行きます。慢性的な炎症を常に起こしているため、歯肉は線維が角化しゴツゴツした硬い表情を示します。ロール状に肥厚しています。

口蓋粘膜は白い小さなコブ状の隆起が出来てきます。舌は黄白色から茶色の舌苔で覆われており、ときにはひび割れ、舌乳頭の異常繁殖が認められることもあります。

喫煙行為が、齲蝕や歯周病に悪影響を直接及ぼすわけではありませんが、タバコは、歯周病の重大な危険因子であることからGencoらによっても報告されています。

そして、口腔衛生に気をつけていると考えられる職業の歯科衛生士でさえも、非喫煙者に比較して喫煙者の方が、骨喪失量が経年的に増えていくことも報告されています。

★受動喫煙の子どもへの影響

受動喫煙により、低身長、アレルギー、喘息を引き起こすことはよく知られています。それだけではなく、子どもの歯肉着色の影響もあります。

もちろん、すべての歯肉着色が受動喫煙ではありませんから、決めつけて親に忠告するのはトラブルの元です。しかし、子どもに歯肉着色がある場合、親の喫煙率は約7割との報告もありますので、歯肉着色が認められない場合は、「周囲に喫煙する方はいらっしゃいませんか?」とさりげなく尋ねています(歯肉着色なしの場合の親の喫煙率35%)。

なお、親が喫煙していると子どもの喫煙率も高くなり、喫煙開始年齢も低下するといわれていますので、子どもの防煙教育はとくにしっかりやります。

このときも、できるだけプラスのイメージをもってもらうことを心がけ、「お父さん(お母さん)は、雨の日でもタバコが切れると外に買い物に行かない?そういうタバコに縛られた生活よりも、みんなと一緒にいられる時間を長く取るのとどっちがいい?」などと話し、あくまでも悪いのはタバコで、喫煙者ではないことを示します。

なお、兵庫県で行われた調査では小学生の7.2%が喫煙経験ありとの報告もあります。喫煙開始年齢の低年齢化はすすんでおり、若年者ほど禁煙は難しく身体への影響が大きいので注意が必要です。

参考文献 チェアーサイドの喫煙支援ガイドブック 渡辺勝著 デンタルダイアモンド社

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/161388/17257350

このページへのトラックバック一覧: タバコの害(医療従事者むけ)2

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。