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2008年11月27日 (木)

ホワイトニングの安全性について1

本日は、2回に渡り、坂上先生の「ホワイトニングの最新知識と治療の受け方」よりお届けいたします。

『歯の表面が溶ける』という伝説?

「ホワイトニングは安全ですか?歯の表面が溶けてむし歯になりやすいと聞きましたが・・・・。」

この質問を受けたとき、一番驚いたのは私自身です。もし、そのようなことがあるとしたら、もう二十年以上の歴史をもつホワイトニング大国のアメリカでは、ほとんどの人がむし歯だらけで、若くして総入れ歯の人があふれかえっており、世界中でホワイトニングは禁止されているはずです。

ご安心ください。ホワイトニングは安全な治療です。

ホワイトニング剤の主成分である過酸化水素水(オフィス・ホワイトニングでは十五~三十五%、ホーム・ホワイトニング剤では過酸化水素水に換算すると三%強)は、消毒剤として使用される成分と同じですので副作用を心配する必要はありません。成分の残りは、増粘剤と触媒です。これにかんしても全く心配ありません。

米国食品医薬局(FDA)でも安全が保証しれており、安全性にていてはまったく問題ないと言えます。

その安全性は、米国歯科医師会(ADA)も認めており、日本でも歯科大学の研究室などで研究され、多くの論文などで証明されています。

厚生労働省が薬剤の使用・販売などを新たに認可する場合は、動物実験による分析を踏まえ、臨床での治験もおこなって薬の安全性を有効性を確認します。しかし、すでに一般に使用され、広く普及している薬剤に対しては、その副作用を細かく調査したうえで、使用の続行が妥当であるかを決定します。

ホワイトニング剤として使用される過酸化水素水は、口の中での使用に理想的ということから、長年殺菌・洗浄に使用されています。

過酸化水素水はオキシドールと同じ成分で、濃度が三十六%以下ならば低濃度のものとして体内に入っても害がないものとされ、安全で広く普及しています。

では、「歯の表面が溶ける」伝説はどこから生まれたものなのでしょうか?

これは私の憶測なのですが、ホワイトニングが研究され始めた百年ほど前に、初めて実験に使用された薬剤は「塩酸」だったと聞いたことがあります。「塩酸」ならば歯を溶かしてしまうことも考えられます。今から三十年ほど前、ホワイトニングに使用する薬剤はすべて過酸化水素水と過酸化尿素に変わりました。現在では、ホワイトニング剤自体には歯を弱くしたり、溶かしたりする作用はありません。

また、まったく不思議なことですが、日本では厚生労働省が認可していないホワイトニング剤が、なぜか売られています。これらの海賊版ホワイトニング剤の中には「酢酸」「クエン酸」などが使用されているものがあります。

この製品は、歯の前処理として、歯のエナメル質の表面に、これらの「酢酸」「クエン酸」を作用させて、意図的に歯の表面を腐食させるのだそうです。まったく信じられない製品が売られているものです。

こういった怖い話は、尾にヒレが付いて伝言ゲームのように広がって、間違った情報として皆さんの耳に入るのだと思います。

安心してください。皆さんが歯科医院でホワイトニング治療を受ける際には、厚生労働省の認可がキチンとおりた製品を使用しています。皆さんの大切な歯に危害が加わるようなことはまず考えられません。

明日へ続きます。

参考文献 ホワイトニングの最新知識と治療の受け方 坂上俊保著 桐書房

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