口呼吸が引き起こすさまざまな病気や口腔への影響1
本日は、坂本洋介先生の著書「元気でキレイは口もとから」よりお届けいたします。
口呼吸はアトピーの一因
「おしゃぶりをはずすのが早すぎると、口で呼吸する癖がついてしまいます。では実際に口呼吸はどのような悪影響を及ぼすのでしょうか。
口呼吸が引き起こす病気には、さまざまなものがあります。
そのうち、子供に多く見られるのがアトピー(アトピー性皮膚炎)、気管支喘息、アレルギー性鼻炎です。
これらのアレルギー疾患は時期がことなり、乳幼児期にアトピー、2,3歳のころに気管支喘息、小学生くらいでアレルギー性鼻炎が出てきます。こうしたアレルギー疾患の一連の流れは、前の病気が収まってきたら次の病気が出て、進行していくように進んでいくことから「アレルギーマーチ」とも呼ばれます。ただし、必ず三つの病気に成るわけではありません。
アトピーと気管支喘息は成長とともに自然と治ってくることが多いのですが、アレルギー性鼻炎はなかなか治りません。アレルギー性のうち、花粉によって起こる季節性のものが、いわゆる花粉症です。
アトピーの原因としては、離乳食が早すぎて卵などのタンパク質がもとになっている場合やダニ、花粉などさまざまなものがありますが、口呼吸もその一つです。口呼吸は免疫力を低下されるため、さまざまな免疫病を引き起こします。口呼吸はおなかに力が入らないために、子供のころから慢性の便秘症も誘発してしまいます。
免疫病を引き起こす口呼吸
人間が健康に生きるためには呼吸、食事、睡眠の三つが必要不可欠ですが、特に酸素をを体内に取り入れる目的である呼吸は大切です。
最近の研究で、咀嚼(食事)、睡眠のバランスが崩れると喘息や花粉症、アトピーなどの免疫症を引き起こすことが分かってきました。免疫病とは、本来、病原菌から自分の体を守ってくれるはずの免疫に異常が起きて発症する病気のことです。
呼吸をする器官は本来は鼻ですが、人間は口で呼吸もする「口呼吸」もできます。最近は口呼吸をする人が急増していますが、口呼吸を長年続けていると鼻の機能が低下し、免疫病を引き起こしやすくなります。
鼻で息をしていれば、空気中の細菌やウィルスは鼻というフィルターにかけられて、体内に侵入しにくくなります。ところが、口呼吸では直接、チリや細菌などが口から体の中に入ってしまいます。侵入した細菌が、口の奥にある扁桃リンパ輪(輪になった扁桃腺の集まり)に直接はいるため、入り込むと風邪の度に、喉が痛くなります。この繰り返しが続くと、常時多くの病原菌がのどの奥にとどまるようになり、病原菌を退治する白血球の力を弱めてしまい、免疫力が低下します。
このように、免疫病の多くは、口呼吸が原因となっていて、特に、口呼吸は乳幼児のことに正しい育児をしないと癖になってしまうので要注意です。
明日も続きます。
参考文献 元気でキレイは口もとから 坂本洋介著 北海道新聞社
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