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2008年4月12日 (土)

口臭に潜む脅威

本日は、平成19年11月18分の福島民報の「サンデー健康」よりお届けいたします。

口臭に潜む脅威

口の臭いに悩む人は多くいます。

程度の差こそありますが、口臭は年齢や性別、病気の有無にかかわらず、誰にでも起こりえます。

最大の発生源は舌の表面に付着する「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる汚れ。臭いの原因物質は歯周病を誘発したり、全身の健康に悪影響を与えたりします。予防には舌の清掃が大切です。

「おじいさんの方が臭いということはありません。男性も女性も、においの強さは同じです」

こう話すのは、新潟大学医歯学総合研究所の宮崎秀夫教授。十代から六十代までの男女計二千六百人について口臭の原因物質を測定した結果、年齢が上がるほど濃度は高くなったが、男女間で差はなかったのだといいます。

この場合の口臭は「生理的口臭」とよばれるものです。歯周病などの口の病気や、呼吸器や耳鼻咽頭科系などの病気で起きる「病的口臭」とは違い、大半の健康な人に発生します。

その主要な原因が舌苔と見られています。鏡で舌をみてみましょう。白いこけのようなものが付いていたら、それが舌苔です。剥がれた粘膜の細胞や血液成分、食べかすなどが推積(たいせき)したもので、タンパク質を多く含みます。

もともと口の中には三百種を超える細菌が棲んでいます。その一部はタンパク質を分解する際、硫化水素やメチルカプタンといった口臭の原因となる「揮発性硫黄化合物(VSC)」を作り出します。うっすらと付く程度の舌苔は正常ですが、過剰な場合は口臭の温床になってしまいます。

宮崎教授によると、口臭の強さは一日の中でも変動します。「においの強さは唾液の分泌量に関係しています。唾液が少ない就寝中はにおいが強く、起きて食事をしていると臭わなくなります」

加齢で唾液の分泌量が減ると舌苔も付着しやすく、口臭強くなります。

ところで、VSCの一つである硫化水素は火山ガスにも含まれる有毒な気体で、卵の腐ったようなにおいを発します。日本歯科大の八重垣教授は「0.3ppmでも不眠やむかつきが現れます。口臭としてでるのは1ppm。悪影響が無いわけではないのです」と毒性を強調します。

細菌や毒素が歯肉中に侵入し、歯の土台が壊される歯周病。八重垣教授によると通常は基底膜という組織が侵入を防いでいますが、VSCはバリアーを破壊した上、歯周病を発生させる化学反応をおこします。

歯周病になると、硫化水素より臭いメチルメルカプタンが大量に作られ、においはさらに強烈になります。

ほかにもVSCが、遺伝子を傷つけてがんの引き金になる活性酵素を増やすことや、硫化水素がDNAを直接損傷することなど、口臭物質の悪影響が分かってきました。

また、舌苔は口内の細菌が気道に入り肺で増殖する誤嚥(ごえん)性肺炎の危険性を高めます。物を飲み込む機能が衰えた病人や高齢者は特に用心したいものです。

では、口臭はどうやって防ぐのか。必須なのは舌を傷つけないよう注意しながらブラシなどで舌苔を清掃する方法。タンパク質分解酵素を配合した錠剤を口に含み、舌苔を化学的に除去する方法もあります。

ただし、歯周病がある場合は、これを治すのが最優先です。

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