しろくま歯科医院 WEBサイトへ

しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
calender

2024年6月

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
AED
当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

最近のトラックバック

アーカイブ

リンク



« 頭の中をリフレッシュ | メイン | 手術用ランプ »

2007年11月 4日 (日)

お友達には虫歯がないのに

今回は、「口腔の成育をはかる こんな問題にであったら 医歯薬出版」からお届けいたします。

虫歯の発生をどのように考えるか

地域で開催される幼児の歯科検診や、外来を訪れるお母さん方のなかに、「うちの子供は、歯磨きやおやつのあげ方にも注意してきたので、何とか虫歯ゼロで頑張っています。でも、お隣の子はほとんどなにもしていないみたいなのに、虫歯が無いみたいですよね。どうしてでしょう」と不思議そうに訪ねられる方もいらっしゃいます。

虫歯の病原菌の中には、種々の連鎖球菌や乳酸桿菌、放線菌などがありますが、その中でもミュータンス連鎖球菌がよく知られています。虫歯は、これらの病原菌が砂糖などの糖質を原料として酸を産生し、その酸によって歯が溶けてくる病気をいいます。疾病発生の要因からいえば、歯面に付着しやすいミュータンス連鎖球菌を中心としたプラークが病因ということになります。

そして、当然のことながら、歯の質(石灰化度や形態などを総称して)や唾液の質(唾液の流失量や唾液緩衝能などを総称して)のような宿主の抵抗性(感受性)も影響してきます。

さらには、糖質の種類や摂取の仕方、保育環境、育児環境、教育環境などの多くの環境要因も関連してくる訳です。すなわち、これらの要因には、歯に対する攻撃要因と抵抗要因が混ざっているわけです。

簡単に言えば、攻撃要因の力が抵抗要因の力に勝っている時には、虫歯の発生する方向にすすみます。反対に、抵抗要因が強い場合には、虫歯にならずにすむということです。

そこで、子供を虫歯から守るために養育者が行っていることは何かを考えてみましょう。

虫歯予防に対して効を奏するのは、おもに、歯ブラシによるプラークの除去と糖質の摂取状態の改善ですが、プラークは、その構成割合の70~80%がミュータンス連鎖球菌など虫歯を発生するのに関連する細菌で出来ていますから当然、歯に対する攻撃側の要因です。糖質の頻回の摂取状態も、細菌に栄養を与えているのですから攻撃側の要因に力を貸していると言えます。

したがって、保護者が虫歯予防のために一生懸命に取り組んでいる内容は、攻撃側の抑制という、真にかなったことだった訳です。

ではどうして「なんにもしていないお隣の子」は虫歯がないのでしょうか?

虫歯に対する抵抗性

先に述べたように、虫歯の発生は攻撃側の力と抵抗側の力のバランスによって決まります。シーソーを思い浮かべてください。「なんにもしていないのに虫歯にならない」のは、虫歯に対する抵抗性が強い証拠です。

抵抗性について具体的にいえば、、一つは歯の要因で、もう一つは唾液の要因と考えることが出来ます。歯の要因には、たとえば歯の形、すなわち裂溝の複雑さや深さなどが関係しています。さらには、目には見えませんが、エナメル質の結晶構造の違いなども影響します。

また、唾液の要因には、唾液の流出量、緩衝能、PHなどの要因があげられています。これらの要因は個体特性であり、可変的な要因で無いことが最大の問題点です。

一般的にいう「恵まれた」要因をもつ人は必ずいるもので、このような人たちは、歯磨き習慣や間食の摂取の仕方などにおいてコントロールが十分でなくとも、虫歯になる機会が少なくないのです。

なぜ虫歯は減ってきたのか

一般に、「虫歯が減ってきた」というとき、虫歯の本数が減ってきたということと同時に、重症の虫歯の減ってきていることをしめします。

虫歯が発生しないということは、先に示した、宿主(歯や唾液などの要因)、環境(糖質の摂取状況、育児環境などの要因)そして病因(ミュータンス連鎖球菌などの細菌塊であるプラーク)の重なりが少なくなったり、あるいは離れたりしている事を意味します。

基本的に、健康教育による保護者の知識の獲得が、あらゆる面で効を奏していると言われています。そのことで、歯磨きの見直しが図られるとよいと思います。

ところで、虫歯の発生に関わる多くの要因の寄与率を計算すると、フッ化物含有歯摩剤が大きいことが分かります。このことは、ヨーロッパ諸国においても同様ですが、背景には健康教育の実践も寄与hしているのです。

虫歯を作らないこと、口の機能を十分に育ててあげること、これらはすべて「子供を育てていく」過程の一つです。

乳幼児の頃は、養育者が管理してあげないと健康を保つ事が出来ない場合が多いと思いますが、その中でも少しずつ、自分の身体を大切に守っていく心も育てたいと思います。

虫歯を予防することは、決して難しい事ではありません。歯科医療機関での専門的なサポートを受けながら、家庭において楽しく健康作りができるよう、歯科医療者は「育児支援」「親子のふれあい」の中で、歯・口の健康作りを通じてライフステージに沿った健康づくりの基礎を支援することが求められていくことと思います。

参考文献 口腔の育成をはかる こんな問題に出会ったら 生活者ととこに考える解決策 安井利一担当分 医歯薬出版

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/161388/10570309

このページへのトラックバック一覧: お友達には虫歯がないのに

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。