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2007年9月30日 (日)

「長寿食の常識」は迷信?

本日は、精神科医 和田秀樹先生の著書 人は「感情」から老化する からお届けいたします。

「長寿食の常識」は迷信である。

ときどき「中年になって肉を食べるのを止めたら、イライラすることがなくなった」といって、人にも勧める人がいるけども、これはあまり根拠がない。むしろ、イライラしたり、ふさぎ込んだりと感情のコントロールが悪くなってきたときこそ肉を食べた方がよい。

感情に老化の兆候が表れているときは、脳内の神経伝達物質であるセロトニンが不足している可能性が強いからであり、セロトニンの原料は、タンパク質に含まれているトリプトファンというアミノ酸の一種だから、肉類を食べることで、補給することができるのだ。

そもそも「年を取ってきたから粗食がいい」という考えは迷信である。日本の平均寿命が男女とも50歳を越えたのは、1947年(昭和22年)、第二次世界大戦が終わってからのことだ。戦前は世界有数の短命国だったのだ。なぜ短命かというと、動物性タンパク質や脂肪分の不足が主な原因だったと考えられている。

低脂肪、低蛋白の栄養状態が続くと感染症にかかりやすくなる。衛生状態の悪かった当時、文字通りに致命的だったのだ。逆に結核などにかかると栄養価の高いものを勧められたことでもよく分かるだろう。

確かに欧米では「肉の取りすぎが短命の要因」として、長寿の日本を見習おうという動きもある。だがアメリカ人の場合、一日に約140グラムもの脂肪を摂っているのである。それに比べて日本人は約60グラムである。肉に関しては、アメリカが一日に約300グラム、日本は78グラムである。

また総蛋白に占める動物性蛋白の割合も、アメリカ人の約65パーセントに対して、日本人は約5パーセントだ。だが、これは少なければ良いというわけではない。この比率が遙かに低いアジア諸国は、日本人より寿命が短いのである。

肉類というと、コレステロールが気になるという人もいるかもしれない。しかし、最近の研究ではコレステロールがむしろ老化予防に役立っていることが明らかになっている。

たとえば、コレステロールはエストロゲン(女性ホルモン)の原料である。このエストロゲンは、骨粗鬆症の予防に寄与するし、アルツハイマーの予防になることも分かってきた。

女性のほうが長寿である理由のひとつにエストロゲンが挙げられるし、閉経後に病気をしやすくなるのもエストロゲンが減少することが原因と考えられている。

そもそもコレステロールには大事な役割がある。悪役とばかり思われているが、本来は細胞膜の原料なのだ。不足すると細胞の再生がうまく行かないのだから、老化を促進することにるのは当たり前の話だ。

コレステロール値が若いうちから飛び抜けて高いのは問題だが、高齢になってからはそれほど心配がない。東京都小金井市が実施した70歳老人の生存率の追跡調査では、コレステロールやや高め(男性190~219mg/dl、女性220~249mg/dl)の群がもっとも生存曲線がよかった。低い群(男性169mg/dl以下、女性194mg/dl以下)の生存曲線は、高い群よりも悪かったのである。

つまり肉は摂りすぎるのは良くないが、摂らなすぎも問題がある。「菜食主義がいい」「年寄りは魚だ」などと決めつけて食生活が偏ってしまうのはかえってまずい、ということだ。

POINT イライラしているときは、肉を食べる!

参考文献 人は「感情」から老化する 和田秀樹著 祥伝社新書

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