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2007年9月29日 (土)

一日の唾液の量は?

本日は、鶴見大学歯学部教授の斉藤一郎先生の著書の中からお届けいたします。

一日の唾液の量は?

おいしそうなご馳走を目の前にすると、よだれが出てくるといった経験は誰しも持っていると思います。たとえご馳走でなくても、私たち人間がモノを食べるときは大量の唾液が分泌されていますが、いったい一日にどれくらいの量の唾液が出ているかご存じでしょうか。

正解を教える前に、唾液について少々勉強しましょう。

唾液が出てくるのは、口の中にある唾液腺です。唾液腺には二種類あり、ひとつは大唾液腺、もう一つは小唾液腺と呼ばれています。

大唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺の三つがあります。何かモノを食べるときや話をするときに大量に分泌される唾液の大部分が、唾液腺から出てくるのです。

中でも最も大きいのは耳下腺で、頬の皮膚のすぐ下、耳の下あたりにあります。ここで作られた唾液は管を通り、上あごの奥歯あたりにある粘膜にある開口部という穴から口の中に分泌されます。この唾液はサラサラしているのが特徴です。

舌先を上あごに付けると、舌の裏にあるヒモ状のものが舌の裏を引っ張ります。その下の方で盛り上がっているところ、下あごの骨の内側にあるのが顎下腺です。ここから出た唾液も、管を通って口の中に分泌されます。

舌下腺は大唾液腺の中でも最も小さいものです。顎下腺の開口部の近くに数十個に分かれて管があります。よく子供の口からピュッと唾液が飛び出したりしますが、そういうものはだいたい舌の下部から出てくるのです。

これに対して、小唾液腺は、唇の裏や頬の裏側など口の中の粘膜や、舌、上あごなどにあります。

口唇腺、頬腺、舌腺、口蓋腺と口の中はすべて唾液腺で覆われていて、薄い粘膜のすぐ下に唾液腺が全部ついているのです。

さて、冒頭の質問にお答えしましょう。

正解は一日1.5リットル。なんと500ミリリットル入りのペットボトル3本分にもなるのです。唾液が出てくる場所がこんなに数多くあると知ったら、一日に1.5リットルも分泌されるのも不思議ではないでしょう。

もっとも、人間は唾液の分泌量を自在にコントロールすることは出来ません。唾液は自立神経によって支配されているのです。緊張すると、唾液が出てこなくて口の中がカラカラになります。反対にマッサージなどを受けてリラックスしているときは、勝手によだれがたくさん出てきます。このようなことが起こるのは、唾液腺が交感神経と副交感神経から二重に支配さえrているためです。

緊張すると交感神経が優位になって、唾液がピタッと止まってしまいます。リラックスして副交感神経が優位になると、唾液は非常によく分泌されるのです。

しかも、交感神経による支配と副交感神経による支配が瞬時に入れ替わるのも、唾液腺の特徴です。「親しい仲間同士で和んでいるときに、強面の見知らぬ男性が入ってきたら、途端に喉がからからになってしまった」と言うことが起こるのは、こうした理由からです。

唾液腺は非常にデリケートな臓器と言えるでしょう。

参考文献 「現代病」ドライマウスを治す 斉藤一郎著 講談社

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