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2007年6月23日 (土)

歯科疾患と民族性との関連

今回は、デンタルトリビューンからのトピックです。

歯科疾患と民族性との関連

(米国)

ニューヨーク大学疫学および健康推進学准教授で国際健康推進歯学の責任者であるGustavo D. Cruz氏は、第85回国際歯科研究学会(IADR)総会において、齲蝕および歯周病の罹患率に、民族性および出生国が関連していることを示す知見が得られたことを明らかにしました。

これは、米国に長年住んでいる移民においても認められています。

同氏は、米国への移民の口腔衛生について、かつて無い大規模な研究を行いました。

この研究では、ニューヨーク市在住の移民1.500人以上(中国系、ハイチ系、インド系、西インド系およびプエルトリコ、ドミニカ、中央、南アメリカのヒスパニック系移民)を対象に、齲蝕および歯周病の罹患率を調査しました。

その結果、民族グループ間で罹患率に有意差が認められました。

例えば、プエルトリコ、ハイチおよびインドからの移民では、歯周病の罹患率が高いのに対し、ヒスパニック系移民では齲蝕の罹患率が高かったのです。

この結果に対して、同氏は「これらの違いは移民の出生国に深く根差しています。出生国で早期に受ける分化的影響が、後に生じる口腔内の健康問題の発端となっている可能性があるのです。

例えば、民族の伝統的な食べ物の中の精製炭水化物の含有量が考えられます。含有量が高い民族は齲蝕になりやすいのに対し、食事の中にそれをほとんど含まない民族では齲蝕になりにくい傾向があるのかもしれません。

その他の要因としては、発展途上国では齲蝕予防のためのフッ素添加水の供給が実施されていないなど、口腔衛生上の政策や環境の影響が考えられます。また民族によっては齲蝕を引き起こす口腔細菌に感染しやすいなどの遺伝的要因も考えられる」と述べています。

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