歯の寿命はどのくらい?
口(歯)からアンチエイジングについて長年研究されているナグモ歯科赤坂クリニックの佐藤先生の研究の中に、歯の寿命についての記述がありましたので、ご紹介いたします。
歯の平均寿命
成人の平均寿命を統計的に見てみると、最も長持ちするのは下の前歯で約66年です。一方、最も早く失われるのは下の奥歯で約50年です。
永久歯が生えそろうのが5歳~10歳までの間ですので、早い歯で60歳から、遅い歯で75歳ですべて喪失してしまうことになります。
このように人生80年の時代に、歯の寿命との間に約20年間のギャップが生じているのです。これを埋めるのがアンチエイジングとなるのです。
そこで、厚生労働省が勧める21世紀における国民の健康づくり運動である「健康日本21」に「歯の健康」」が取り上げられ、その一環として日本歯科医師会が推進している「8020運動」があります。
しかし、この運動自体の意味するところが国民へ広く伝わっているかというと少し首を傾げたくなる状況にあります。
この運動は日本人の平均寿命である80歳になっても自分の歯が20本以上残っているようにするときのが目標です。
長い老後を楽しく、美味しく食べて過ごせるように、毎日のセルフケアを十分に行い、しっかりと定期検査を受け、歯や歯肉の健康を守ることを勧める運動です。
実際は、親不知を含めて32本の歯を残すとすべきところ、自分の歯が20本あれば噛む能力を維持できる限界として、20本と表現しているのです。
しかし、どんな歯でも20本残っていれば良いかというとそうではないのです。歯が機能を果たすためには、上下の歯が噛み合うように残っている必要があります。上の歯が全部残っていて下が1本もないのでは上手く機能しません。しかし、残っている歯の本数が多いと、総じて噛み合う部分も増えるともいえます。
例えば、
・21本以上ある人は、「何でも食べられる」
・16~20本では、「たいていの物が食べられる」
・11~15本では「噛めない物がある」
・6~10本では「あまり噛めない」
・1~6本では「全く噛めない」 (笹原浩「入れ歯の文化史」文藝春秋社)
しかし、実際のところは80歳で6本(8006)の歯が残っているというところが現実だそうです。これは少し目標が高すぎるため、到達するのが難しいと言われています。それだけ失った歯の数が多いということになるのです。
先日、日本人の平均寿命が発表されました。
84歳で又世界一です。
歯を大事に丁寧につかいます。