絵本のある待合室
しろくま歯科医院は開業当時から 「しろくま文庫」という絵本専用の本棚が置いてあります。
これは、長崎にある「こどもの本の童話グループ」の絵本のある子育てという考え方に非常に共感する事が出来たためです。今日は、この絵本のある子育てについて考えてみたいと思います。
絵本・そのちいさな魔法
「家庭に絵本があると、子どもとの時間に変化ができて、子どもといるのが楽しくなります。」
「絵本は親と子の良い気分転換です。」
「子どもと一緒に絵本を楽しんできて、これが私の子育てと、思えるようになりました。」
これらのコメントは絵本により子どもとの時間を大切に共有することの出来た親御さんの物です。
最近の子どもの興味と言えば、プレステやファミコン等のデジタル機器の方へ大きく偏り、それらはまたビジュアルで直接見ることが出来ることが多いため、自分の頭で考える事が少なくなってしまっているのかもしれません。
このことは、将来的に非常に憂いなければならない状況かも知れません。情報をそのまま受け入れる事に関しては非常に優れていても、自分自身で物事を考え実行していく力が育たないかもしれないからです。
そのため、今求められる事は、アナログの手触りの感触を子どもに与え、自分の考えを頭の中で、大きく育ててあげる事だと思います。生き方の読解力を付けてあげればと思います。
私は、人の読書感想を聞くのが大好きです。同じ本でも自分と違う世界観を知るのはとても興味深いからです。
絵本でも同じ事がいえると思います。親子で同じ絵本を読み、感想を親子で語り合うのです。子どもはこんな事を考えているのかとか、自分が忘れていた感覚を親御さんも思い出すかもしれないですから。子どもも、親と共通の話題が出来ることに非常に喜びを感じるかもしれません。
長崎の絵本美術館の川端 強さんはこう言っています。
「切れる子どもたちが社会問題になったりしていますが、それは子どもたちの心が満たされていないのが原因と思います。人間は精神的な生き物で、魂の根っこが満たされないと生きる目的やよりどころが見いだされません。
魂の根っこを満たすには言葉が大切です。「早く寝なさい」とか「勉強しなさい」という表面的な言葉ではなく、たとえば夜空を見上げ「星がきれいだね」といったような見えないながら何か大切なことを語る言葉を子と親が共有することが大事と思います。
今は社会が複雑になり、親や子も忙しさを増しています。生きていくための物差しがそれだけ大切になって来ているのではないでしょうか。昔むかしではじまる物語は、いわばその物差しみたいなものではないでしょうか」
絵本のお話、今後も続けていきたいと思っています。
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