碁盤斬り
5月後半に奥さんと草彅剛主演の「碁盤斬り」を鑑賞してきました。
この映画は古典落語の演目「柳田格之進」を映画化したもの。
パンフレットよりちょっと引用させて頂きます。
浪人・柳田格之進は身に覚えの無い罪を着せられた上に妻も喪い、故郷の彦根藩を追われ、娘のお絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしている。しかし、かねてから嗜む囲碁にもその実直な人柄が表れ、嘘偽りの無い勝負を心がけている。ある日、旧知の藩士により悲劇の冤罪事件の真相を知らされた格之進とお絹は、復讐を決意する
ざっくり言うと上記の様な内容なのです。
私の感想といえば、草彅剛の迫真の演技に度肝を抜かれました。草彅剛じゃなければ出せない迫力を感じた次第。
清廉潔白の生き方を信条に今までまっすぐに生きてきた格之進が自分の生き方に疑問を持ちつつ、己の心情を曲げずに生き抜く姿に痺れました(笑)。
奥さんとの鑑賞後話では、「侍は自分の名誉の為に切腹を選択する」という文化がどうしても理解出来ないらしく、映画の評価は私ほどは高く有りませんでした。
この映画は侍の仁義を理解していないと成り立たない話なのです。
「生き恥を晒して生きるくらいなら潔く自死を選択する」ということなのです。
侍の時代にもこうした清廉潔白な考え方よりも私利私欲を優先したい人間も存在したのです。
今回の「碁盤斬り」は前半は囲碁を通じて私利私欲にまみれた人間を矯正させる話、後半は冤罪を晴らす話の2パートから成ると思います。
人間は自己の性格を変える事は難しい・・・けど、理想を持ってまっすぐに生きる事は出来るよと教えてもらったようなすがすがしい映画でした。
傑作。
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