噛み合わせの治療とは。
医科には沢山の科(内科、外科、小児科、整形外科、眼科等々)があるのですが、歯科は一般歯科、歯科口腔外科、小児歯科、矯正科ぐらいしか聞き覚えがないと思います。
しかし、実際の歯科も医科に負けない位、細かい区分枠があります。歯科大学病院が沢山の階で診療が必要なのはその為です。
ですから、歯科の治療を患者さんが望む場合、大学病院の様な治療の縦横の関係がしっかりした環境で望むのなら別ですが、歯科を開業医で治療を望む場合は、事前にその先生が何を治療の主軸に置いているかを調べてからの方が、治療が効率的に進みます。
歯科の開業医を大まかにいえば、歯周病をメインに置いている予防系、噛み合わせや顎関節をメインに置いている機能系、義歯やインプラントをメインに置いている欠損補綴系、抜歯や小手術をこなす事が出来る手術系に分けられると思います。
当院は、基本的にすべてが出来るハイブリッド型なのですが、私が基本的な主軸においているのは噛み合わせと顎関節の治療です。
顎関節の治療を行っていて感じた事なのですが、大抵の患者さんは開口運動(一般的にしゃべる位に口を開ける)は問題なく行えるのですが、滑走運動(ハンバーガーを食べるみたいに大きな口をあける)が出来ない患者さんが多いです。しかし、しゃべる位には口が開くし、それで不便が無いために、自分が「顎関節症」になっている事に気がつかないのです。
人間の顎関節は両耳の直ぐ前に位置しています。そのため左右にあるのです。その顎関節の主要パーツでもある下顎頭は下顎骨の後方先端に着いている関節です。その下顎頭がある下顎骨には歯が生えています。
ですから、歯の生え方が左右バラバラだと、顎関節の左右の位置もバラバラと言うことになります。
左だけ動くけど、右はあまり動かないというのは、「歯の噛み合わせが悪いので左右の顎関節の状態も悪い」という事になるのです。
これは現実生活の中に置き換えると、噛み合わせが非対称ということになりますから、凄く負荷が大きい歯と負荷がまったく無い歯に分けられます。負荷の大きい歯は歯周病にもなりますし、知覚過敏にもなるし、虫歯にもなるし、最悪歯が割れたりします。
こういった事を注視して治療を行うのが『噛み合わせ歯科医」です。
そのため、初診で来た患者さんの歯に掛かっている負荷を少し楽にしてあげると、途端に痛みが無くなったりもします。不思議ですよね。
だから、歯が痛くなったらすべて歯の虫歯や歯の神経のせいにせずに、まずは口の中の噛み合わせや顎関節の機能が十分に機能しているかを調べてみる
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