4つ足から2足歩行へ
昨日は噛み合わせ治療について書きました。
ブログの中でも軽く触れたのですが、会話が出来ないほど口が開かないって患者さんはほとんどいません。つまり、口を開ける事が出来る以上は、なんらかの方法で食事を行っているという事です。
食事が出来るという事は、自分の顎の状態は正常だろうと認識してしまうのです(この状況を続けていると顎が完全に開かなくなるロック状態に陥り、痛みが発生します)。
指2本分位しか開口出来ないとすれば、「隠れ顎関節症」かもしれません。
そういった症状を指摘して顎関節症と自覚させるのもかかりつけ歯科医師の役目かもしれません。
噛み合わせの話はかなり込み入って難しいので、出来るだけ分かりやすく説明する必要があります。
そのため、多くの模型や画像を使って説明を行います。
閑話休題
人間は、もともと類人猿から進化しました。その進化の過程で4つ足から2足歩行へと身体全体を整直化させてきたのです。
人類の進化で2足歩行を手に入れた我々ですが、そのおかげで多くの優れた行動や文化を築くことが出来ました。しかし、実は歯科の咬合的にはマイナスな面もあったのです。
噛み合わせ不全や顎関節症というのは人間だけにある疾患です。類人猿にはそういった症状は皆無です。
猿の犬歯だけは3級咬合といって噛み合わせが逆です。それは4つ足で顔が下向きになっても顎の位置を固定するという役目があるためです。人間にはこの犬歯の噛み合わせが2足歩行(身体の整直)に伴い喪失したのです。
その為に人間は歯が環境(親知らずや指しゃぶり、発達不全、歯の萌出不全、過剰萌出)によって歯並びが悪くなったり、顎関節症が発症する様になってしまったのです。。
そういった歴史を患者さんに説明するために、猿(チンパンジー)の頭蓋顎骨を買いました。
この説明は過剰説明かなって思ったのですが、かなり良い顎骨を見つけてしまったので思い切って購入しました。
やはり良い値段がして、購入後後悔したりして。
最近のコメント