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しろくま先生のブログ
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2022年9月23日 (金)

抜歯窩のデブライトメントする?しない?

debridement(デブライドメント)とは、歯科の治療の際の汚染物(歯石、プラーク、不良肉芽組織)等を取り除く事を指します。

衛生士さんはなじみが深い言葉だと思います。いつも歯石やプラークといった汚染物の除去をしていますので。

では、歯科医師はどうか。。。。と考えると、私はかなり熱心にデブライトメントを行っています。

と、いうか命を掛けてデブライトメントを行っています。

なぜ、この様な事を書こうかと思ったかといえばtwitterで話題になっていたのですが、今の若手の歯科医師は、抜歯を行った後の穴(これを抜歯窩といいます)の中にある不良肉芽組織を取らない方が多くいるということなのです。特に親知らず抜歯をした後とか。

私の所属していた大学の口座では、この抜歯窩のデブライドメントで2〜3時間の講義や実習を受けたくらい、デブライドメントは丁寧に勉強させられました。

若手の先生が取らない理由としては、出血が止まらなかったらどうしようとか、余計な事をして感染させたら大変とか、麻痺が発生したら嫌だとか・・・とにかくそういった理由です。

まず、不良肉芽組織には多くの細菌が混在していますので、抜歯窩の中に感染した汚物をそのまま残して治要してしまうと、一生歯肉の中にばい菌の巣窟が出来たままになってしまいます。将来、その場所にインプラント等を埋入した場合、原因不明の失敗を招く恐れがあります。

それと、不良肉芽をいじってしまうと出血が止まらなくなるという事ですが、それは全くのデタラメです。出血しているのは不良肉芽組織そのものから出血しているので、デブライドメントをしっかり行って不良肉芽をしっかりと取ってあげると、きちんと止血出来ます。

私は自分の手術で出血が止まらない場合は、まず不良肉芽組織の取り残しが無いかを確認します。

大抵の場合(ほぼほとんどの症例で)は、どこかに不良肉芽組織が残っています。

不良肉芽組織から出る出血と血管を傷つけてしまった為の出血では、血液の量が違います。

血管を傷つけてしまった場合の出血は、ビュ〜!!ともの凄い勢いで出血してきます。

不良肉芽の場合の出血はジワジワとした出血です。だから、今の若い歯科医師の方もしっかりと人間の骨の解剖〔歯槽骨と神経の関係)を勉強して自信をもってデブライドメントを行って欲しいと思います。

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