ちょっとホラーな朝。
最近雪が降っている事が多いですよね。
そんな朝は早起きして、医院の駐車所の雪かきをしてから、娘を学校まで送ります。
私も8時半には診療室に行かなければ行けないので、7時ちょうどに娘と車に乗り込みます。
しかし、雪の日はどうしてもノロノロ運転となり、時間が掛かります。
そんなゆっくりな運転を朝している時のことです。
あと1キロ位で娘の学校に着くという車中での事です。私はハンドルを握り、まったく動く気配のない車の渋滞の中、対向車線の車を眺めていました。
とても珍しい色の車が前から来たのです。まあ、渋滞していますから対向車もゆっくりですれ違いのです。その珍しい色をしげしげと眺めていて、私はどんな方がこの珍しい色の車を運転しているのだと思い、運転手の顔をしげしげと眺めました。
私は職業柄、人の顔をみると分析を始めてしまうのです。例えばこんな風に。
「噛み合わせは2級で、row angle、咬合は深めかな?」とか「骨格がしっかりしているな」とかです。ですから、その運転手の顔もしっかりと記憶に刻めました。
その時はそれで終わったのです。
ゆっくりとですが、車は移動して行きます。その珍しい色の車も私の横を通り過ぎて行きました。
しかし、行きも帰りも道は相変わらず混んでいて、ゆっくりとしか進んでいません。
まあ、余裕を持って外出していますから焦る必要はないと思って、安全運転に専念していました。
10分くらい経ったでしょうか。対向車線に先ほどの珍しい色の車がまた見えました。
「あれ?さっきと同じお車だ。私が勘違いしているだけでそんなに珍しい車ではないのか」と思ったのです。
しかし、その車とすれ違う時に、ぞっとしました。
先ほどのドライバーと同じ顔だったのです。道路の混みぐらいからして、また回り道をして、同じ道を走るというのは不可能ですし、無意味です。
私は顔を覚えるのは本当に得意です(名前を覚えるのは本当に苦手です。同級生の名前も覚えられないくらい)、絶対に間違わない自信があります。
自分の車には娘が同乗していましたから、大声で叫んだりしませんでしたが、小さな声で「ヒッ!」と叫んだ事を覚えています。
その朝は、とても嫌な気がしたので、娘を送り届けた後、慎重に自宅まで戻りました。
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