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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
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2020年11月14日 (土)

集中している時の口腔内。

患者さんの歯を削る時は、かなりの緊張感を要します。

「歯」は口腔内で28本あり、その全ての形が違っていて、全ての歯に役割があります。

1本たりとも無駄な歯がありません(親知らずも萌出している位置が悪くなければ、有益です)。

上顎と下顎の噛み合っている歯を削るというのは、歯医者の仕事の中でも精神的にかなりハードな位置づけになると思います。なんせ、噛み合わせを壊して、新しい噛み合わせを作るという事ですから(スクラッチ アンド ビルド)。

歯を削る時は、基本、ダイヤモンドバーと呼ばれる、金属の針にダイヤモンドの欠片が散りばめられた物を使うのです。それはダイヤモンドが入る事によって、切削効率が上がるからです。

歯の天敵は「熱」です。60度以上の熱を骨に加えると、骨が壊死するといわれています。歯も同様です。ダイヤモンドの切削効率で熱を出さない工夫をしているのです。

だから、歯を切削(削る)時は、エアーと水を同時に歯に吹き付けながら、ダイヤモンドバーを歯に押しつけないよういに、フェザータッチといわれる、力を抜きながら歯を削って行くのです。

エンジンやタービンと呼ばれる歯を削る器具を握っている時の手先には全く力が入っていません。リラックスして力が抜けています。力を入れると歯に無理な力が入り、歯が火傷し、切削面が凸凹になってしまうからです。

肩と腕には力を入れず、リラックスして切削行為を行っていますが、体の全ての力を抜くわけには行きません。自分で確認した事なのですが、フェザータッチで歯を切削している時は、かなり強い力で噛みしめていました。おまけに無呼吸。

息を止めて、噛みしめることで、力を抜いた腕の力を受け止めていたのです。

噛みしめは、「歯」に一番悪い行為です。

患者さんの「歯」を救う事で、自分の「歯」を犠牲にしていました。

何ともやりきれない。。。

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