小峰一雄先生のドックベスト講習会に参加して来ました。
今月8日に浅草橋にて小峰一雄先生のドックベストセミナーを受講して来ました。
『ドックベストセメント』というのは、全く削らずに、痛みのある歯を治療するという、一見「ほんまかいな?」と疑ってしまう触れ込みのものです。
実は、私の周りの先生方からは、非常に不評で、批判も多い治療法でもありました。
しかし、まったく削らない治療法というのは、私の治療方法に非常に似ています。
実物を見ずに批判をするのは簡単ですが、実際に自分で講習会を受講して、体験してみてからでも遅くないと思い、受講しました。
このドックベストセメントの主な仕組みは、19世紀に歯科の治療で登場したカッパーセメントが出現しました。このカッパーセメント(銅が主成分)を使用した支台歯には二次カリエスがまったく見当たらなかったそうなのです。
そこで、カッパー(銅)の主成分を増やして、殺菌効果を狙ったが、銅の毒性が強くなり、使用が無くなってしまった。その後、Dr.Tim Frazerにより、カッパーセメントと特別な成分液体を組み合わせた応用を発表し、これがドックベストセメントの元になっています。
この銅と成分が殺菌力と歯髄に不足した栄養分として、象牙細管内に染みこんで、痛みや歯髄の回復に努めるというのです。
実際に抜去歯牙を用いて実習をしましたが、ドックベストの溶液がみるみる軟化象牙質に染みこんで行くのが分かります。
ドックベストを使用している先生方で、失敗している多くは、この最初に象牙細管に染みこませる処置なしに、ドックベストのみを患部に塗り込んでいるために失敗していると、小峰先生がおっしゃっていました。
この研修を受講して、原理その他注意事項について理解納得出来ました。
私も症例を選んで使用してみたいと思っています。
その他では、小峰先生の診療にたいする姿勢に大いに感銘を受けました。
歯を治すのではなく、患者さんの生活習慣、または人生までもを視野にいれた観点は、是非見習わなければなりません。
我々歯科医にしか出来ない仕事を多く、示唆していただきました。
ドックベストセメントに出会えたことも大きかったのですが、小峰先生の治療スタイルを知ることが出来た方が、私には大いにプラスでした。
おまけですが、この研修会を主催したPOICの関係者の方が、休憩時間を利用して、消毒について話し始めたのですが、つい熱が入ったのか、午後の研修時間になっても終わらず、30分もオーバーして話し続けたのには少々参りました(苦笑)
最近のコメント