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2010年2月15日 (月)

蔓延する化学物質について2

本日も、吉川涼一先生の著書『金属アレルギーと歯科治療』よりお届けいたします。

◇シックハウス症候群から化学物質過敏症へ

新築の家やマンションに入居したとたん、頭痛、目の痛み、鼻炎、動悸、皮膚炎、不眠、疲労倦怠感など、アレルギー症状を中心としたさまざまな症状に見舞われる病気です。

住まいは、一生に一度の高価な買い物ですから慎重に選択したはずでしょうし、またその住まいにはこれからの家族の夢が託されていたはずです。ところが、その夢のマイホームがかえって家族の苦病の源になってしまう。こんな不幸なことはありません。

原因は合板や壁紙などに使われた接着剤に含まれる化学物質です(ホルムアルデヒドなど)。やっかいなことに、接着剤などに含まれるホルムアルデヒドは、室内で10年以上にもわたって少しずつ揮発していきます。おまけに最近の住宅は機密性が重視されていて、換気が不十分というケースが少なくありません。こうして家族は、呼吸するたび、家から揮発する化学物質を体内に入れてしまい、アレルギー疾患を引き起こしてしまうのです。

もともと体質的にアレルギー反応が強い人が、シックハウス症候群のように化学物質にさらされて発症すると、病状がさらに悪化して「化学物質過敏症」におちいってしまうことがあります。

そうなると、石鹸、シャンプー、化粧品、衣類、灯油、排気ガス、はては新聞のインクの臭いでさえ、体内に入ることによってひどい症状を起こすようになります。

患者さんは、すべての自然素材で作られたもののなかでしか暮らすことが出来ませんが、現実的にはそのようなことは不可能で、常に症状に苦しむことになってしまうのです。

歯科治療でも、使用するものはすべて化学的に合成されたものばかりです。歯の治療もできません。

参考文献 金属アレルギーと歯科治療 吉川涼一著 現代書林

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