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2010年2月14日 (日)

蔓延する化学物質について1

本日は、吉川涼一先生の著書『金属アレルギーと歯科治療』よりお届けいたします。

◇歯科金属アレルギーの増加は・・・。

歯科金属から溶け出してくる金属イオンが体内に入ることによって、さまざまな慢性的な症状や体調不良が起こっているのではないか。

難治性のアトピー性皮膚炎の原因は、歯科金属ではないのか・・・。このような事が騒がれはじめたのは、ここ10年ほどのことです。

歯科金属と慢性的な症状や疾患との関係は、まだ医学的に解明されていません。ではなぜ、最近になって歯科金属アレルギーが取り沙汰されるようになったのでしょう。

一つには、メタルフリー(金属を使わない治療)をしたときに、患者さんの慢性病が、急速に改善して治ってしまったという、臨床的な経験や疫学的な調査の結果です。証拠はつかんでいないが、状況証拠は確かに集まってきています。歯科金属は、限りなく黒に近いグレーという状況です。

そしてもう一つの理由は、一定の害をもたらす歯科金属に対して、人間の体のほうの許容量が小さくなってきた、ということも考えられます。いままでは歯科金属程度では慢性症状も慢性疾患も、さほど発生しなかったものが、現代では比較的簡単に発症しやすくなっているのではないか、ということです。

メタルフリーにすれば治ったという症例が増え、また疫学的な調査でも、あやしいと思われるデータがそろうようになったのは、そういう患者さんが増えたからに違いありません。それだけ発症する側の患者さんの体も、昔に較べると変化して来ているのではないかと思われます。

現代社会でアレルギー性疾患が増えている理由はさまざまでしょうが、一つの重要な要因が「化学物質」です。高度成長期の中で急速に増加したさまざまな「化学物質」は、私たちのからだに入り込み、アレルギー性疾患などの発症を促しているのではないかと思われます。

たとえば「シックハウス症候群」もその一つです。

明日へ続きます。

参考文献 金属アレルギーと歯科治療 吉川涼一著 現代書林   

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