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2009年12月13日 (日)

ストレスとは何か? 2

本日も昨日の続きの2回目です。志賀泰昭先生の著書『噛み合わせと顎関節症の治療と予防』よりお届けいたします。

◇ストレッサーが様々な疾病を引き起こす~内分泌系の反応~

ストレッサーには物理化学的ストレッサーと認知的ストレッサーがあります。物理化学的ストレッサーとしては、寒冷、高熱、気圧変化などの環境因子、ケガや打撲や火傷、振動、騒音、そして咬合異常などがあります。

認知的ストレッサーとしては、人間関係などの社会的要因、悩みや心配ごと、不安、緊張、恐怖、怒り、悲しみなどの情動的要因があります。現代社会的な問題となっている「いじめ」は認知的ストレッサーの代表といえます。

ストレッサーが加わると自律神経を混乱させることはすでに述べましたが、ストレッサーは内分泌系にも影響します。内分泌系の中枢は、自律神経と同じ視床下部にあります。ストレッサーが加わると視床下部から指令が出て、視床下部の真下にある脳下垂体の前葉から副腎皮質ホルモン(ACTH)が分泌され、これによって副腎皮質から副腎皮質ホルモン(グルココルチコイド)が分泌されます。グルココルチコイドは、グリコーゲンの合成の促進、タンパク質の異化作用、抗炎症作用、過剰な免疫反応の抑制などをします。しかし過剰に分泌されると、高血圧症を進行させます。

また、ストレッサーに遭遇すると、副腎皮質からノルアドレナリンなど(これらをカテコールアミンといいます。)の分泌が増えます。アドレナリンが血中に放出されると、心拍数や血圧が上がり、瞳孔が開き、血液中のブドウ糖濃度が上昇するなどします。

ノルアドレナリンは、交感神経を活発にして心拍数を上げたり、脂肪からエネルギーを放出させたりして筋肉が敏速に動くようにします。さらには交感神経が高まるとエピネフリン、ノルエピネフリンが過剰に分泌し、冠動脈を収縮させ、血栓ができやすくなるほど重大な心臓疾患を引き起こしやすくなります。

ストレスによって、胃酸分泌と胃粘膜の抵抗力のバランスが崩れて胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こすことはよくしられていることです。

このように、ストレスは自律神経と内分泌系の両面から生体に影響を与えるのです。ストレスによって生じるとされている疾患は、循環系、消化器系、呼吸器系、神経、筋肉と多岐にわたっています。

明日へ続きます。

参考文献  噛み合わせと顎関節症の治療と予防 志賀泰昭著 日東書院

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