義歯
本日はアリソン・レイ、デービット・レイ共著の『歯と口腔』よりお届けいたします。
◇義歯
義歯とは入れ歯の事で、洗浄の際や寝る時には外せます。
一本の歯、あるいは全部の歯の代わりに入れます。義歯の主要な役割の1つは噛みきったりすることを容易にすることですが、実際はあまりうまくいかないことも多いです。
本物の歯のようにしっかりと噛みきることが出来ませんし、もぐもぐ噛んでいるとずれてしまうこともあるからです。
特に、吸着力と筋力の力だけで支えられている総義歯の場合は難しいのです。下の総義歯の場合は吸着力もなく、筋肉だけで支えられています。
義歯のもう一つの大事な役割は審美的なものです。失った歯の代わりに義歯を入れれば、素敵な笑顔が取り戻せます。歯を抜いた後、歯茎の穴に骨が新たに埋め込まれれば、顔や唇がより正常で若い形になります。義歯が小さすぎると顔や唇が「すぼんだ」ようになります。
◇義歯による痛み
義歯は口の内側をこするので痛みの原因になることがあります。時間が経つにつれ骨が治療賃でくると、義歯が緩んできますから、問題が生じたときは取り替えなければなりません。
新しい義歯も不快感の原因になることがあり、不快感が2,3日続くようなら、義歯を作ってくれた歯科医の所にもう一度行った方がよいでしょう。
たいていはちょっとした調整でよくなる場合が多いです。歯を抜いて義歯を作った場合は、ぴったり合っている期間は限られています。抜いた歯を支えていた骨がだんだん溶けてきて縮み口の形が変わってしまうからです。ぴったりあった状態を続け、唇や頬の形を保つには、規則的に、理想的には4,5年に1回、義歯を作り直すことが大切です。
◇義歯の衛生
義歯を付けている人、特に総義歯を付けている本当の歯が1本もノ残っていない人は、義歯が恥ずかしくて、四六時中つけっぱなしという人が多く見られます。
この場合、義歯床で口蓋が常に覆われていますから、口がとても不潔になります。一晩中義歯をつけたままにしていると口蓋が軟らかくスポンジ状になり、カンジダに感染することがおおくなります。これを防ぐためには、夜は義歯は外して、次亜塩素酸ナトリウム(商品名:ミルトン)や、義歯洗浄剤として売っている薬剤の中に浸しておきます。
また、口蓋や歯茎を軟らかいブラシと水で朝晩軽く磨いたほうが良いでしょう。
歯茎が刺激されてしっかりし、健康に保つ事が出来ます。義歯も装着する前にはいつも磨いた方がよいです。磨くときは石けんと水を使うのが最善で、歯磨き剤は研磨作用のため義歯のプラスティック(レジン)には向きません。
参考文献 歯と口腔 アリソン・レイ、デービット・レイ共著 一灯舎
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