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2009年8月19日 (水)

 水銀化合物《アマルガム》の毒性2

昨日に続き、アマルガム《水銀》の毒性についてです。

本日もダニー・スタインバーグ著『口の中に潜む恐怖~アマルガム水銀中毒からの生還』よりお届けいたします。

◇海産物からレンズ・クリーナーまで ~日常の中の水銀~

水銀を体内から取り出すためには、まずは水銀を取り入れないように注意しなければなりません。

しかし、残念ながら、タイプは異なれ、水銀はどこにでもあるので、水銀を取り込まれないようにすることは、ほとんど不可能です。

食物、化粧品、リサイクル・トイレットペーパー、掃除機、殺菌剤、絵の具などの中に含まれています。

これらのうち主なものを見てみましょう。

●●水俣病と阿賀野川の水銀汚染●●

海、河川、湖沼は、水銀が産業廃棄物として排出されるにつれて、どんどん汚染されていきます。水銀は地下に吸収されず、流れてたまります。

そのため、沿岸海域の海産物は、とくに汚染されやすくなっています。ヒ素(猛毒の一種)のような汚染物質もそこに集まります。南アジアでは、カニや伊勢エビを捕るためにヒ素を使う漁師さえいるのです。

従って、残念なことながら、サケ、タラ、車エビ、伊勢エビ、カニなどは、安全性が確認するまでは、避けるべき品目の中に入ります。深海魚でさえ、水銀の汚染されるものもあります。

マグロやメカジキなどです。あるロサンジェルスの毒物研究者は、マグロの缶詰を長年、毎日欠かさず食べて水銀中毒になった男性の症例を報告しています。それによると、その男性は、重度の精神障害を起こしました。ただし、幸いにも死には至っていません。

しかし、日本では、一九五三年から一九六五年に有機水銀汚染された魚を食べて、多くの人達がなくなりました。また、何千人もの人たちが死ぬまで障害にかかったままでした。

熊本県の水俣湾そして新潟県の阿賀野川のメチル水銀排出汚染です。これらの人たちは、悲惨でした。どんな思いで、この世を去ったのでしょうか。

一九九九年の『朝日イブニングニュース』の記事は、ブラジルのアマゾン川流域の住民が川魚を食べて水俣病に似た症状を呈したと報道しています。水俣水銀中毒の研究者、原田は博士の談話は、アマゾン川の場合、長期にわたる低レベルの水銀汚染で中毒症になる、との事でした。

『ジャパンタイムス』の記事には、インド洋のセーシェル諸島の人々が魚をたくさん食べ過ぎてアメリカ人の10倍の水銀レベルを示すという研究報告があります。

ところが、その研究者たちは、そのような高い水銀レベルを示す女性でも、その子どもは水銀の影響を受けていないと主張しています。その解釈はおかしくありませんか。デンマークでの研究では、北太平洋のフェロー諸島の女性が水銀汚染された魚を食べていて、その子どもたちが発達障害を呈しています。どちらが正しいのでしょうか。いずれにせよ、これら二つの研究結果の違いが明らかになるまでは、そのような魚を食べることは控えたほうが無難です。

免疫毒素学者でコーネル大学の乳がん・環境危険因子研究プロジェクト代表ディタート博士によれば、海産物の水銀は、「胎児への影響が大きい問題」です。水銀は、摂取されて数ヶ月後でも胎児の神経系を破壊しうるのです。だから、「安全策をとって、妊娠の可能生のある女性は、一週間後にマグロ(ツナ)・サンドイッチを二個以上食べないようにするのがよいでしょう」と述べて、さらに危険性がある物として、メカジキとサメをあげています。

産業・農業廃棄物汚染のある河川や沿岸の海水産物は、水銀レベルがとくに高くて危険です。これは、すべての研究者の一致した見解であると思われます。

●●化粧品と日用品と医療●●

水銀を含有している可能生のある日用品としては、美白クリーム、乾せん軟膏、入れ墨、髪染め、痔薬、赤チン、メルチオレート(殺菌消毒剤)、甘こう(塩化水銀含有の下剤)、皮膚の消炎に用いるローション・軟膏、コンタクトレンズの洗浄剤、膣用ゼリーなどがあります。

ただし、これらが必ず水銀を含有しているとは限りません。安全のため、使用にさいしては、含有成分を確認した方がよいでしょう。

なお、十分に調べた訳ではありませんが、昔、日本では、「おいらん」と呼ばれる遊女がお白いの重金属のために苦しんだという悲話があります。現在の日本では、そのような化粧品を使っていないと信じたいと思います。

ペイント、床用ワックス、ニス、接着剤、蛍光灯、農業用殺虫剤なども注意が必要です。残念ですが、ほとんどの国で、水銀含有という表示が義務づけられていませんが、どのような団体が調査をしているかは、よくわかりません。

水銀は、昔からいたるところで薬品として一般的に使用されています。とくに、中国の薬草の場合は、結合剤あるいは心臓刺激剤として水銀を使用するケースが多いようです。日本の薬草は、中国の伝統をいくぶん受け継いでいるので、注意が必要です。

そのような薬草に使用にあたっては、是非水銀やそのほかの有害物質が含有されていないかどうかを確かめてください。

参考文献 口の中に潜む恐怖~アマルガム水銀中毒からの生還 ダニー・スタインバーグ著 マキノ出版

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