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2009年5月12日 (火)

新型インフルエンザ流行を防ぐには感染させない~歯磨きも有効~

本日は福島民報 平成21年5月5日分に社会面よりお届けいたします。

★新型インフルエンザ流行を防ぐには感染しない、させない!

新型インフルエンザの流行を防ぐには、個々人が「うつらない」努力をするとともに、知らずに感染していた場合に備え、「うつさない」ことも必要です。ウィルスに社会社会全体で立ち向かう為の方策について、横浜市立付属病院の満田年宏感染制御部長に聞きました。

Q:これまでのインフルエンザと予防法は違うのか。

A:従来の季節性インフルエンザと基本的性質は変わらないから、対策も同じ。せきやくしゃみで飛散するしぶきによってウィルスが広がる飛沫(ひまつ)感染が中心で、次いで手を介した接触感染が主な経路。マスクやうがい、手洗いが有効だ。

Q:マスクの効果は

A:マスクは自分の感染予防に有効なだけでなく、もし自分が感染していた場合はウィルスの拡散を防ぐ事になる。公衆の場に出かける場合はマスクをし、しぶきを飛ばさないことが大切。マスクの無いときは、せきやくしゃみをハンカチやティシュペーパーなどでおさえる。不織布のマスクが防護性能が高い。

Q:装着する際に気をつけることは

A:鼻にあたる部分のワイヤを鼻の形に合わせて曲げ、プリーツを広げてから装着する。横漏れしないようにぴったり密着させることが大切。

Q:うがいはどうすればよいか。

A:普通の水道水を使えば十分だ。うがい薬には、口の中の粘膜を傷つけるものもあり、薦められない。

Q:アルコール系の手指衛生剤で手の消毒をするべきか。

A:アルコールを用いるのも、流水と石けんによる手洗いも、汚れをウィルスの量を減らすのに有効。

Q:そのほかに効果的な対策は。

A歯磨きだ。歯垢(しこう)の中の細菌はウィルスを付着させやすくする酵素を出す。インフルエンザにかかった高齢者の場合は、誤嚥(ごえん)による2次性細菌性肺炎の予防にも有効。毎食後と寝る前、一日4回磨くのが良いだろう

Q:生活上の一般的な注意事項は

A:普段から抵抗力をつけておくことが大事。十分な休養、睡眠、栄養が必要だ。

Q:国内、特に自分の近くで感染者が出た場合はどうしたらいいか。

A:感染者の行動半径による。例えば自宅と幼稚園を往復するだけの子どもに感染がわかったら、園児、職員への接触状況に応じた観察や、濃厚接触者にはタミフルやレリンザ薬の「予防内服」を行い発症を抑えることで拡大が防げる。一方、公共交通機関で通勤する社会人などは、接触者の特定が困難で同様の対応は出来ない。感染者や接触者についての正確な情報が不可欠。かぜ症状のある時には出来るだけ外出を控えるべきです。

Q:感染が疑われた生徒の学校には、生徒の通学ルートを問い合わせる電話があったというが。

A:通ですれ違ったぐらいでは感染しない。過剰な反応だ。また、今回の新型ウィルスによる感染症の症状は、季節性のインフルエンザより、すこし重い程度である可能性が大きい。体力のない乳幼児や高齢者、合併症があるなどの場合以外は回復する可能性が高い。

Q:社会全体として考えるべきことは

A:インフルエンザのような伝播力の強い感染症を防ぐには、一人でも多くの市民が予防策に参加して初めて高い効果が期待できる。他人まかせにせず、誰もがこの事態に取り組むという意識が必要だ。

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