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2008年12月24日 (水)

顎が動かない

本日は、垣本充先生の著書『歯育ては子育て上手』よりお届けいたします。

★顎関節症は精神面にも悪影響

『顎関節症』という聞き慣れない病名は、むし歯、歯槽膿漏につづく第三の歯科疾患といわれている病気のもので、上顎と下顎の繋ぎ目の顎関節を動かす筋肉や関節自体がうまく動かない病気です。

顎関節がスムーズに動かないと、普段何気ない動作でも口がうまく開かなくなったり、大きく開けたときや、噛み締めたときに痛みを感じたりします。痛さの程度には差がありますが、ひどいときは頭にずきずきくるときがあるようです。

この病気は、とくに10歳後半から20歳代前半の女性に多いとされていますが、高齢者や子どもにもみられます。女性に多いのは、女性の関節、筋肉、靱帯が男性に比べて弱いためではないかと考えられます。子どもでは、口を開閉するときや食べ物を噛んでいる時に、カックンとかギコギコといった雑音が生じる場合に注意が必要です。この音は他人にもはっきり聞こえます。

顎関節症は、頭痛のほかに、目眩、耳鳴り、難聴、肩こりなどの症状を生じさせます。また、前にもお話したとおり、噛む運動は人間にとって情緒を安定させる働きをもつものですから、顎関節の異常をそのままにしておくとストレスを増大させます。子どもでは、眠いが浅くて疲れやすく、食欲不振、目眩などの自律神経失調症的な症状を引き起こす例も見られるのです。すなわち、顎関節の異常は子どもの精神面にまで悪影響を及ぼすことがあるのです。

顎関節の原因の一つに下顎の発達不足が挙げられます。噛むトレーニングの不足は、顎関節症を動かす筋肉を萎縮させ、ひいては顎関節症を引き起こすのです。そのほか、むし歯になって歯がぬけてしまい、片方の歯だけでいつも食べ物を噛んでいる場合にも、顎関節症はおきると言われています。

顎関節症でよく見られるのですが、噛み合わせがうまくいかないことは姿勢の悪さにつながります。背骨が曲がってしまい、側わん症にまでいたった例もあるのです。

噛む運動の不足やむし歯が原因であれば、当然食生活からの予防が大切です。でも、顎関節症や不正咬合、歯列不正になってしまった子どもには、専門の「矯正歯科」で診断を受けさせる必要があります。歯科大学や歯学部のある大学の、付属病院の矯正歯科、または専門医を訪ねてください。

これらの歯の病気は、比較的簡単な治療ですむものから、何年もの長期間をかけて治さねばならないものまで、いろいろな症例があります。

アメリカでは病気になってからより、まる前に予防することが第一と考えられています。しかし、我が国では予防医学の徹底がはかられているとは残念ながらいえません。口の中の病気は食生活に気を配ることによってかなりの割合で予防できるものなのです。子どもに症状が出たら、すぐに適切な治療をうけさせることはもちろんですが、普段からそうならないような注意をおこなたらいようにしましょう。

参考文献  歯育ては子育て上手  垣本充著 農文協

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