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2008年10月 6日 (月)

過度の義歯安定剤使用に注意

本日は、デンタルトリビューン紙2008年10月号よりお届けいたします。

★過度の義歯安定剤使用に注意

血中の亜鉛濃度上昇により神経障害をもたらす

平衡感覚の低下や脚力の低下も

本報告は、テキサス大学ダラス校サウスウェスタン・メディカルセンターの医師Sharon P.Nations氏らの発表に基づく〔Neurolgy 2008;71(9):693-643〕。

神経障害の見られた義歯患者四人について血液検査を行ったところ、正常な血中銅濃度が0.75~1.45mlであるのに対して彼らは0.10~0.23ml、また、正常な血中亜鉛濃度が0.10~0.23mlであるのに対して彼らは1.36~4.28mlでした。

この4人は亜鉛を含む義歯安定剤を常用しており、その使用量は「過度に大容量」であったといいます。

同氏らは「過度に義歯安定剤を用いることは神経障害につながる恐れがある」と指摘しました。

血中の亜鉛濃度と銅濃度のバランスが神経へ与える影響は非常に大きい。どちらか一方の濃度が大きく上昇すると、もう一方の濃度はそれに反比例して降下します。患者の一人は、握力の低下と平衡感覚の低下をしめるのみでしたが、別の一人は腕力と脚力がともに衰え、車椅子生活を余儀なくされたうえに認知機能障害や尿失禁の随伴して見られました。

★使用中断と血中銅濃度の回復で症状が改善

四人のうち、義歯安定剤の使用を中断して銅のサプリメントを摂取させた患者では、神経障害の症状がやや改善いたしました。しかし、銅のサプリメントを摂取しながら義歯安定剤の使用を継続した別の患者では、血中銅濃度は正常値に回復しましたが血中亜鉛濃度は高いままであり、症状が改善することはありませんでした。

義歯安定剤一本の消費期間は3~10週間が目安とされています。しかし、神経障害を呈した四人の患者は一週間で少なくとも二本を消費しており、義歯安定剤の亜鉛濃度は17.000~34.000mlでした。また四人中三人は比較的早期に義歯となった患者さんであり、長期間にわたって過度の義歯安定剤を使用し続けてきたことがわかりました。

同氏らは、「亜鉛の一日あたりの推奨摂取量が女性は8mgであるが、男性は11mgであるが、患者は少なくとも330mg の亜鉛を毎日摂取したいました」と述べました。なお、全米科学アカデミーからは2001年に、亜鉛の一日あたりの最大摂取量は40mgであると発表されています。

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