上あごはまな板、下あごは包丁
本日は、茂木伸夫先生の著書「歯医者さんにかかると寿命が延びる」よりお届けいたします。
上あごはまな板、下あごは包丁
ものを噛むときには上あごと下あごの歯が噛み合って大きなものを小さく粉砕していきますが、上あごと下あごの骨の作りは全然ちがいます。
上あごは海面骨という比較的柔らかな骨で出来ていますが、下あごは緻密骨と硬い骨で出来ています。また、噛むときには顎関節という耳のすぐ近くにある蝶番が回転して下あごを動かしています。
ちょうど下あごは包丁の刃で、上あごは、まな板と考えてください。下あごの歯は、強い力が出せるようにがっちりとした下あごの硬い骨に支えられています。
また、下あごの歯で噛んだ強い力を硬い骨がまな板となって噛み合ったらどうでしょう。どちらも壊れるか、どちらかが壊れるかとなってしまうでしょう。
上あごの比較的柔らかな海面骨が衝撃をソフトに受け止められるように出来ています。また、上あごには上顎洞という空洞が頬の中に両側にあり、力を緩衝する役目も果たしています。
ある歯医者さんで下あごの親知らずを抜いてもらったら一晩中痛かった。でも今度違う歯医者さんで上あごの親知らずを抜いてもらったらほとんど痛みがなかった。今度の歯医者さんはとても上手だな。というお話。そうでしょうか。上あごは柔らかな骨のために外への痛みの放散がしやすいし、抜いたところへの栄養素なども運ばれやすいのです。
状況により症状はまちまちですので、間違って決めつけないようにお願いいたします。決めた主治医は信頼しましょう。
参考文献 歯医者さんいかかると寿命が延びる 茂木伸夫著 愛育社
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