噛み合わせによる頭痛、肩こりについて
本日は、長坂 斉先生の「アンチエイジング 歯のかみ合わせ力」からお届けいたします。
頭痛、肩こりについて
噛み合わせ異常から起こる全身症状で一番良く知られているものとして、頭痛があげられます。
頭痛の起こりやすい箇所は偏頭痛(右または左肩から首にかけて)、また、後頭部痛(後頭部が重く、ボーっとした感じがする)で、専門医を受診しても原因が見当たらないなどといわれることが多く、肩こり、首こりなどをともなっている場合があります。
これらの症例で、時として顎関節の症状を伴い、そのような人は、同時に歯科を受診し顎関節と診断されるのです。
このような頭痛の原因は左右顎関節の異常運動にあり、特にかたがみをしている場合に多く見られます。また、左右どちらかで噛む癖がある場合、毎日の咀嚼習慣により、噛み癖のある側の噛む面のすりへりが起こり、当然左右の高さにズレが生じてきます。
そのあたりから左右および前後の頭の位置のズレが生じ、そのズレで自然に頭を支えようとする筋肉の緊張が生じるのです。
その緊張が持続することにより筋肉緊張性頭痛が発生し、筋肉の肩こりや首こりが発生することになるのです。
例えば、右のかみぐせがある場合、肩こりの部位は左に多く発生するのはそのためです。このような場合、左右均等に噛む練習をすることで、その症状がかなり緩和されます。また噛み癖は、右、左だけでなく、右奥(大臼歯部)と左手前(犬歯、小臼歯部)などというように不定に噛む癖があり、そのような場合、右、左と頭痛の位置が定まらず、頭、頸部と広域に発症することも多いのです。
いずれにしても頭痛、肩こりにおいては、噛み合わせ治療を行い、左右および前後で均等に噛む訓練を行うことにより、その症状の軽減が起こることが多いのです。
このような場合、噛み合わせ異常による関連頭痛、および噛み合わせ異常による関連の肩こり、また顎関節関連症状をして歯科治療の対象となります。
このような症状がある時点での聴力検査を行うと、頭痛および肩こりの反対側の聴力低下(右に肩こり、頭痛がある場合、左の聴力の低下が多い)が顕著で、噛み合わせ治療後、再度測定を行うと聴力の低下側の向上など左右差の減少が確認され、同時に頭痛、肩こり症状が起きていることに気づくのです。
以前、このブログでも書きましたが、聴力の変化の原因は、左右の噛み合わせ異常による関連筋が協調運動することで、左右耳の付近の血流が均等化することによる内部リンパ圧の正常化が原因と考えられています。
このようなことから聴力は噛み合わせのセンサーであるということで、最近、歯科治療を行う上で最もすぐれた噛み合わせの客観的な診断法となっています。
参考文献
先生のところでインプラントをなさっているようですので
今日のブログとは関係ないのですが質問お願いいたします。以前他の歯科医院でインプラントを入れたのですが上物の形が気に入らず、上物だけの交換も可能なのでしょうか?また、先生のところでも検査をしていただいて交換して頂けるようならお願いしたいのですがいかがですか?ぶしつけで申し訳ありません。
インプさん
質問ありがとうございます。
インプラントというのは、歯科大学では理屈しか教えていません。手技は教えていません。
理由は簡単です。
インプラントの種類が多すぎるからです。
インプラントは有名なものから、無名なものまで合わせると有に2~300種類もあると思われます。
ですから、インプラントの授業は無いのです。
とても教えられません。大学によっては、ある特定のインプラントを教えているところもあるかもしれません。
前置きが長くなりましたが、インプさんの質問の答えです。私の使っているインプラントシステムとインプさんに埋入されているインプラントが同じである必要があります。
次ぎに、インプラントの上物(上部構造といいます)は、ネジで固定されているのか、それともセメントにて固定しているのかにもよります。
ネジ式のものは、交換が安易で、セメント式の物は交換が難しいです。
結論として、私の使用しているインプラントシステムとインプさんに埋入されているインプラントシステムが同じ物で、しかもネジで固定されているものなら問題なく交換することが可能かと思われます。
しかし、上物(上部構造)の形はほとんど噛み合わせに合わせて形作られることがほとんどです。
ですから、形が気に入らなくてもインプさんの口にはその形しか選択出来なかった可能性もあります。
私も他の先生の作ったインプラントの患者さんを何人か診せていただいていますが、インプさんのインプラントに関しては、主治医の先生に相談されつのが一番よいかもしれません。