連夜の咬合研究
私の父はその昔、目覚まし時計を使うことなく、一生を終えました。つまり、寝起きがとてもよく、そのため、大学の研究室では、早朝の動物実験で使う動物の餌当番だったという逸話が残っています。
私もその血を引き継いでいるようです。朝の目覚めがとても良いのです。開業してからほとんど目覚ましなしの生活を続けています。
ところが、先日の事です。
朝 、なんか騒がしいと思って時計を見ると、8時30分!!
あと10分で朝の朝礼をしなければいけない時間です。いつもは7時代に起きるのに。
ほんとに焦りました。準備もそこそこに診療室へと向かいました。
実は、最近毎晩、技工士の黒澤さんといろいろ研究というか、開発というか、とにかく夜遅くまでミーティングをしているのです。
議題は、「患者さんの口腔内の状況をそっくり技工室にて再現するには」というものです。
歯の診療は、いくら私がうまく歯を治しても、それに被せる偽歯をしっかり作らないと、何の意味もありません。逆に、私の治療が下手でも、技工がうまけりゃ、少しごまかせる()という事です。
そのために、どうやったら患者さんの口腔内環境をそっくり技工室の中(咬合器)に移植するかということを考えているのです。
いままで、そういう技術がないわけではありません。しかし、とても煩雑ですべての患者さんに提供出来るわけではありません。
今回、我々が開発しているのは、簡単で、しかも手早く行うためにはどうしたら良いのだろうということに着目していうのです。
最初の日は、いつもやっている様に、煩雑なやり方で、やってみました。しかし、歯医者や技工士でも煩雑な作業を患者さんが指示に従って行えるとはとうてい思えません。
しかも、我々が行っても、煩雑で難しい為に、正確なデータを取ることが出来ませんでした。
2日目は、前日行ったデータを元に、少し改良して見ることにしました。前日に比べかなりスピードアップしました。しかし、これを日常の診療で用いるには少し大変です。
私と技工士さんが求めているのは、正確で、早い操作、簡単であるということです。
2日間行ってみて、二人の間でかなりの情報が集まりました。次の日はもっと簡略化して、作業時間の短縮をねらって、装置をつくることになりました。
3日には、かなりの部分を簡略化出来て、しかも、精度もかなりあがりました。これなら、患者さんも楽ですが、我々もかなり楽に操作出来ます。
何人かの患者さんにすぐにでも使わなければいけないので、早く最終的なものに仕上げなくてはと思っています。
頑張ります。
前向きな希望の持てる事。
ゆっくり、頑張って下さい。・・拍手・・