ホワイトニングとは2
昨日の続きです。
自然の色はこうしてつくられる
ここで、簡単に歯の構造と色について見ておくことにしましょう。
歯の表面を覆っているエナメル質はかなり硬い組織で、半透明の乳白色をしています。エナメル質の内側にあるのが象牙質で、これが歯の本体にあたります。
象牙質はその名のとおり、淡黄色や黄褐色をしています。一番内側の歯髄は血管や神経が集まっている所で、そのため、赤い色をしています。
このような要素がミックスされて歯の色として認識されるため、自然な歯の色には黄色やオレンジ、ピンクなどさまざまな色が含まれるのです。
特に前歯の先端部分は象牙質や歯髄もなく、ほかの部分より透明感があります。
ちなみに歯槽骨は歯を支えている骨、歯根膜とは歯を支える組織で、歯槽骨と歯の間でクッションのような働きをしています。
ホワイトニングが有効なのは天然の歯
先にお話ししたとおり、その人本来の歯の色味を生かして、理想的な白さを引きだして行くのがホワイトニングです。したがって、ホワイトニングが有効なのは天然の歯に限られ、すでに入っている差し歯や詰め物(レジン=プラスチック、銀歯、セラミック)など、人工的なものはホワイトニング剤を塗っても色は変わりません。
その様な場合は、歯全体がホワイトニングで希望の色になった段階で、差し歯や詰め物などを同じトーンのセラミックに変えることで、バランスよく統一された白い歯の整えることが出来ます。
変色の原因は大きく2つに分かれる
歯の変色の原因には外因性の変色と内因性の変色があります。
外因性の変色には、①飲食中の色素やタバコのヤニなどの沈着②虫歯③歯の補綴物(詰め物、かぶせ物)による変色などがあげられます。
内因性の原因としては、おもに①加齢による黄ばみ②抗生物質テトラサイクリンの服用による変色(永久歯の歯冠形成期=出生直後から小学校入学前の期間=に服用により、歯の硬組織に取り込まれることで起こる変色で、重度になると縞模様をともなう)③フッ素症(上水道中に1ppmを越えるフッ素を含む地域に発生しやすく、歯の表面に白や褐色の斑点がでる)による変色などがあげられます。
一般に、外因性の変色により内因性の変色、特にテトラサイクリンやフッ素症が原因の変色はホワイトニングによる効果が出にくいとされています。ホワイトニングを始めると白い部分はより白くなるため、かえって縞模様や斑点が目立つようになるためです。
斑点の場合には、ホワイトニング後、その部分を削って周囲の色調にあわせた詰め物をする処置が必要になる場合があります。
ただし、テトラサイクリンによる変色は根気よくホワイトニングを繰り返して縞模様が強調される時期を乗り越えると、ある程度目立たなくなる場合もあります。
審美歯科ではホワイトニングの他にも、ラミネートベニアやセラミッククラウンという白い歯に再生出来る技術も提供しています。重度の変色であっても、治らないなどと心配する必要はありません。1人1人の悩みに対応出来る治療法がありますので、安心して歯科医に相談してください。
参考文献 美しい歯を手に入れる本 平原順也著 現代書林
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