暇な時は割とにらむ。
今から5年ほど前の事です。
私はある勉強会に参加していました。
その先生はとにかく話が細かいのです。
普通、勉強会での講師の先生は、時間のスケジュールを気にして、省くところは省き、説明をしなければいけないところは、しっかりと説明するというのがスタイルです。
理解できない時は、個人で質問したりするものです。
ところが、この先生はすべてにきちんと時間を掛けて説明してくれます。もちろん時間は押しに押して、2時間延長なんてのは当たり前でした。
その先生が、歯に関するある方法を発見した時の事をはなしてくれました。
まだ、その先生が新人の歯科医師だったころ、毎日遅くまで大学に残って勉強していたらしいのです。
そのときの彼の日課は、技工室に置いてある、目上の先生や巧い先生が削った歯の模型を丹念に眺めることを自分に課していたそうなのです。
「継続は力なり」といいますが、その先生も毎日、毎晩、何百、何千と模型を眺めているうちに、歯の法則というか、発見をした。。。。。。という話でした。
勉強会では、「また、先生の余計な話が始まった」というムードだったのですが、私はその話は非常に衝撃的でした。
趣味でも生活でも、何でもよく観察するというのは非常に大事なんだなと改めて気がつかせてくれたきっかけだったからです。
今でもおつきあいがあるのですが、非常に優秀なA先生も、そういえば、文献でも模型でもじっとにらむように読んだり観察したりする癖があったなと合点がいったのです。
それからは、今でもその癖がぬけません。電化製品の説明書もじっくり読み込みますし、歯科の治療で難しい治療の場合は、口腔内写真とエックス線写真をずっと眺めるようになりました。不思議と解決策や抜け道が見つかる事が多いです。
先日、サージテルという拡大鏡を購入したという話を書きましたが、それも「診る・見る」と言うことの延長なのかもしれません。
いつもぽっかり時間があいたときは、今回の写真の模型をじっとにらみつける様に観察しています。
この模型は、別な勉強会に参加した時に、講師の先生が歯の巧い削り方の見本を模型にし てくれたものです。
毎回ため息の連続です。狭い口の中で、よくもこんなに巧く削れるもんだと感心してしまいます。きっと技工士さんも作りやすいし、口の中でも適合性は良いのだとうと思います。
適合が良いと言うことは、虫歯の原因の歯と歯の間の隙間が少ないということですから。
いつか、この先生の様に巧く削れるように、暇なときはにらんでいます。
「見る 観る 視る 診る 」
これは生活のなかで基本的なスタートだと思います
おろそかに しがちですが 良く みる 事をかみしめたいし
得 なことだと思います。
今日のタイトルの付け方、いいですね。