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2007年9月23日 (日)

20分で食べる噛まない学校給食

本日は、西岡一さんの著書「噛めば体が強くなる」からお届けいたします。

20分で食べる噛まない学校給食

少し前の「朝日新聞」の投書欄に、富山市の主婦が学校給食の早く食べる指導を疑問視する次のような内容の一文が掲載されていた。

彼女には4月から小学一年生になる長男がいる。そのため、前年の秋に就学予定児とその母親が小学校に集まり、先生から入学までのしつけと心得が説明された。

そのなかで彼女のはとても気になることがあった。それは学校給食についての説明であった。その説明によると、「給食の時間は20分しかないので、時間内に食べられるように、今から家でも訓練しておくように」という話だったという。

当時、長男が通う幼稚園でも小学校への入学に備えて、給食を25分以内に食べるように指導していたというのだ。

長男は体が標準より小さいこともあってか小食であり、また偏食もあって、食べるのに時間がかかる。だから幼稚園では、いつも最後まで残って食べているという。この母親はこのことが気になるので、家で長男に食事時間のことを口うるさくいうと、最近ではずいぶん早く食べられる様になったらしい。

しかし、まるで詰め込んでいるとしか言いようのない食べ方だという。そして、食べ終わると、必ず、「お母さん、何分かかった?」と聞き、長男にとって時間ばかり気にする食事になっているそうなのだ。

この母親は、自分が子供の頃の食事は「ゆっくりと良く噛んで」と指導されたものだが、いつの間にか、「早く食べて」に変わってしまったことに戸惑いを感じている。さらにこの母親は、食事はひとつの例にすぎず、学校教育では何でも画一化され、それにともない子供は落ちこぼれになることを心配し、学校側の事情もあるのだろうが、このままでいいのだろうかと、長男の入学を前にして、学校教育への疑問を投げかけている。

このお母さんの疑問は当然である。給食の時間は短く、それに悪名高き先割れスプーンを使わせ、犬食いをさせてきたのが学校給食であった。それに給食の献立にも問題がある。子供の好きな物を第一条件にするために、メニューはどれもこれも歯ごたえのない柔らかいものばかりとなっている。

戦後直後の学校給食の意義は大きい物があった。当時、食料が絶対的に不足していて、欠食児童や子供の栄養失調は大きな社会問題だった。

学校に弁当を持っていけない子供は、ザラにいた。子供の餓えを満たし、栄養を確保するのが目的で学校給食は始められた。そうした大きな役割を果たしてきた給食だが、現在では食の事情は当時とはまったく変わってしまい、食べ物は街にあふれる事態となっている。当然、学校給食もそれなりに新しい対応が求められるはずなのだ。

20数年前、学校給食30周年を記念して行われた全国一斉カレーの日なども、いかにも役人的発想である。この投書のお母さんも嘆いているように、画一的な教育の典型を学校給食に見ることができる。

学校給食は、ただ単に楽しく食べるだけではなく大事な食教育のチャンスでもある。先生も子供達と一緒にたべて、この機会に、世界飢餓、環境問題、健康と食べ物の関係、食べ物への感謝などを生徒達に話すことが出来るはずである。そしてゆっくりと食べ、良く噛む週間を植え付ける絶好の機会なのだ。

日本では学校給食は当然のように教室で食べるものとなっているが、欧米では食堂(カフェテリア方式)で食べるものと決まっている。勉強すれ机で食事というのは、食事を軽視しているように私には見える。家庭でそんなことをしているところはまずないだろう。

最近、日本でもごく一部の学校では給食を食堂で食べるところが出てきたようだが、これが広がり、食べることの大切さと食事のマナーを子供達に是非つたえたいものだ。

2003年になってから一部の学校で、良く噛める食材を使って、子供達に良く噛んで食べることの重要性を20年以上もまえから、学校で、講演で、本で訴えてきたが、ようやくその努力が報われつつあるのかなとうれしく思っている。きんぴらゴボウやたくあんなど、歯ごたえのあるものをメニューに加えて、子供達に良く噛むことの大切さも学ばせたいと心から思う。

2003年8月、文部科学省は子供の生活習慣病を予防するために、小・中学校に栄養教諭をおき、子供の食生活の指導を行うことを検討していると報じられたが、是非、早期に術源っして欲しいものである。

参考文献 噛めば体が強くなる 西岡一著 草思社

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昭和29年生まれの私は、
小学校入学のころは脱脂粉乳のミルクとコッペパンにおかずが1品だったと思います。
「よ~いどん」で食べ始め
まけちゃーいけないと思って、食べていました。
「コッペパン」おれは、美味しくなかったです。小麦が良くなかったからですかねー

自分では気がついてなかったのですが、私の食べる時間が速いそうなのです。

今から直しても、手遅れですか……


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