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しろくま先生のブログ
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2007年1月19日 (金)

虫歯と人間の付き合いは?

虫歯というのは一体いつの頃から人類を悩ませてきたものでしょうか?

歯は人間の体の中で最も硬い部分ですから、古代人の歯が土中でも腐らないで残っている事があります。

それを発掘して調べたところによると、紀元前4世紀にはすでに20人に1人ぐらいの割合で奥歯の咬合面(噛む面)の溝に虫歯が見られるそうです。

その後、時代が下がると共に、虫歯は増える傾向にありますが、江戸時代までの虫歯を持つ人の割合は12~17%位であっただろうと考えられています。

平安時代、紫式部は「御歯の少し朽ちて口の中の黒みて笑みたまえる」とニコッと笑った口元から虫歯もの黒いところがちらっと見えるのもかわいいと光源氏にいわせています。現代の私たちにはちょっと理解しにくい感性です。

また、枕草子にも「十八九ばかりの髪いと麗しく丈ばかり(中略)いみじう色白う願、愛敬づきよしと見ゆるが、歯いみじう痛みて額髪もしとどに泣き濡らし乱れかかるもしらず・・・・」と、長い美しい髪の色白のかわいらしい年頃の女性のようだが、歯が痛くて涙に濡れた髪の毛が顔にかかって、と描写しています。

虫歯の多い少ないは食生活に大きく影響を受けます。ですから、同じ時代でも貴族は農民や漁師に比べて柔らかいもの、甘いものを食べていたので、虫歯になりやすかったと考えられます。

この時代の庶民は甘いものなど食べられずに虫歯になりようがなかったでしょうから、虫歯は上流貴族階級のシンボルといっていいでしょう。

昔から、人は虫歯にならないため、歯を白くするため、歯周病で歯がぐらぐらしないために様々な事をしてきました。日本人はかなり昔から塩で歯磨きしていました。特に江戸時代には「赤穂の塩」と「吉良の塩」は食用だけでなく、焼き塩として江戸の人々の歯摩剤にも使われ、お互いに商売仇だったようです。

参考文献 唾液は語る 山口昌樹・高井則安著 工業調査会

歯 をひもといていくと うなずけて 面白い
紫 式部 も清少納言 も女性の立場で思う事が
あったのでしよう
時に 塩で磨いています
赤穂の塩 吉良の塩 、歯摩剤の忠臣蔵 ?   笑

by ゆここ | 2007/01/19 8:51:41

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