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2007年1月20日 (土)

スポーツ外傷1

本日は、再生医療の第一人者である名古屋大学の上田実先生の著書咀嚼健康法(中央新書 中央公論社)からお伝えします。

最近、私の歯科医院にもスポーツによる外傷の患者さんが多く来院する様になりました。

その理由を少し探って見ましょう。

急増するスポーツ外傷は噛み合わせが原因

10年ほど前までは、顎の骨折といえば原因は交通事故か喧嘩に決まっていました。

ところが、交通事故による顎骨骨折はシートベルトの着用が義務着けられてから急激に減ってきました。その意味では、このシートベルト作戦は成功したといえるでしょう。

喧嘩は地域によって今でも顎骨骨折の原因の第1位になることがあります。

この不名誉な記録を持つのはドイツのハンブルグです。港がありドイツ有数の歓楽街をもつこの街ならでは記録です。私はこのことを知ってからドイツへ出張へ行ってもハンブルグには立ち寄らない様にしています。

交通事故や喧嘩というのは、いわば顔面外傷の古典的な原因であります。それにたいして最近、スポーツによる外傷で顎骨骨折を起こすケースが急増しています。

スポーツによる外傷は体のどこにでも出来る可能性があるのに、なぜか顔面部が多いのです。

おそらく競技中に顔面は露出しているので外力を受けやすいためと思われます。顔面骨折の中でもほとんどは、下顎骨の骨折であります。スポーツによる外傷は交通事故とは違って顔の皮膚や粘膜などの軟組織の傷が軽傷であるというのが特徴であります。

しかし、並びの悪い歯があると、それが原因で歯を舌を咬んだり、唇を切ったりします。

また噛み合わせが悪い時や親不知のせいで、骨折を起こす事があります。

逆にきれいな咬合(噛み合わせ)をしているとなかなか顎の骨折は起こらないものです。

そこで、スポーツ外傷と歯の関係について見てみましょう。

そもそもスポーツ外傷が急増している原因は、近年のオリンピックやワールドカップの盛り上がりで、国民の間で幅広くスポーツが盛んになってきている事によります。

なかでもサッカー、ラグビー、バスケットボールのようなコンタクトスポーツといわれるスポーツは躍動的で人気が高いです。しかしその反面、これらのスポーツでは激しい接触を伴い、外傷が発生しやすいのです。

とくに、顎顔面領域における外傷は頻度が高く、スポーツによる事故のうち4~18%を占めると報告されており、年々増加の傾向にあります。

外傷の種類は、顎骨の骨折、歯の破損、脱臼などです。歯や顎骨に障害が起きると毎日の生活に支障をきたすため、不幸にも発生した場合には早期の診断、治療が必要です。

ただ、スポーツによる外傷はたとえ骨折が起きていても大きく骨片がずれることは無く、本人も医師も見逃しやすいのです。

プレイ中に競技者同士が衝突しても、たいていはそのまま競技を続け、しばらく経っても顎の痛みが引かないので病院に行くと骨折が見つかる、ということが少なくありません。

しかし、骨折してからあまり長い時間が経つと、顎の骨がずれたまま固まってしまい、手術が必要になる事もあります。もし、スポーツの最中に顔面や顎に何かがぶつかったら、口腔外科でレントゲンの診断だけでもしてもらった方が良いかもしれません。

顔面外傷を起こしやすいスポーツとしては、日本では野球が圧倒的に多く、ラグビー、サッカー、バスケットボールが人気があり、顔面外傷の頻度も高くなります。

外傷の種類で注意しなければんらないのは歯の脱臼と顎骨骨折です。顎骨骨折は、治療にさいして正常な咬合を回復させる事が最も重要な目標なので、口腔外科の専門知識が必要となります。歯の脱臼は日常よく経験するので、その対処法を説明します。

スポーツに限らず、転倒したりすると前歯がぐらぐらになる事はよく経験します。これが、歯の脱臼です。

歯の脱臼に関しては明日ご紹介します。

参考文献 上田実著 咀嚼健康法 中公新書

日々 アフター口内炎でさえ つらい思いをします
それが 外傷、骨折となると、大変なことですね。


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