味覚障害
今日は、味覚障害について取り上げます。
今回のテキストは、鶴見大学歯学部教授の斉藤一郎先生の「ドライマウス」です。
若年層の味覚障害が、一時期盛んにメディアに取り上げられました。過度の偏食による亜鉛不足がその原因であるということは、よくご存じだと思います。
味覚障害の原因は亜鉛不足だけではありません。薬の副作用や食品の中にまで含まれる添加物や保存剤で起こることもありますし、精神的ショックが引き金となってもたらされる事もあります。
妊娠中など、ホルモンのバランスが崩れた時に起こる事も多々あります。
ここで、味覚のメカニズムについて説明します。
味覚は、食べ物の中に含まれている味物質が、主に舌の上に存在し味を感じる期間「味蕾(みらい)」に入り、味蕾にある味細胞に接触します。
この刺激が味覚神経に信号を送り、大脳の味覚野という部分に伝えられ、味覚を感じるというわけです。つまり、味覚は舌で感じるものではなく、脳で感じるものです。この一連のプロセスの中で、どこかに異常があると味覚障害が起こります。
亜鉛が欠乏すると、味細胞に異常をきたします。このケースでは、亜鉛を含む薬剤やサプリメントを服用することで改善されます。
味蕾に異常が生じたことで引き起こされる味覚障害もあります。それはドライマウスによって舌が乾燥したために起こります。ドライマウスによる味蕾の異常は、2つのパターンがあります。
1つは物理的な摩滅です。潤滑剤の役割をしていた唾液がなくなることで、味蕾がこすれてなくなってしまう、平坦舌と呼ばれる状態になることがあります。
もう1つはカンジタ症などの細菌感染症によるものです。口腔内の常在菌であるカンジタ菌が、唾液の減少により劇的に増加し、舌の上で炎症を起こしてしまいます。そうなれば、味蕾も傷害を受け、味覚障害に陥ってしまうわけです。
このようにドライマウスが起因による味覚障害は、舌の異常が原因です。こうした患者さんの中には、常に舌が痛い「舌痛症」を併発しています。
また、食べ物をうまく飲み込めないドライマウスの患者さんも大勢いらっしゃいます。唾液が少ないので当然です。
食事中は常にお水やお茶が手放せず、ほとんど食べ物を「流し込む」状態の方たちです。
未だに、このドライマウスの治療法が確率されていないので、一刻も早く解決法が出来ればと思います。
参考文献 ドライマウス 斉藤一郎著 日本評論社
加齢とともに味覚おんちを感じます
私は塩分が特に悩みます
薄味になりがちです
・・・人生のメニューこれから薄味で・・・
昔のこんなつまらない 句 を思い出しました。
ゆここさん
お元気でしたか?
心配していましたよ。薄味が一番です。