説明よりもまず手を動かしましょう。
週末にインプラントの勉強会が栃木県の烏山でまた開かれました。年間で5回のスケジュールで行われます。今回はその4回目。
前回、私は家庭の事情で出席出来なかったため、多少の不安がありながらの出席になりました。
前日の土曜日、高校時代の友人達との忘年会が予定されていました。
集合は6時半。そのとき私は何をしていたかと言えば、親不知の抜歯をしていました。仕事が終了したのが9時過ぎ。急いで集合場所の焼き肉屋へ駆けつけたのですが、やはりすでに終了していました。場所を変えていると思われるのですが、次の日朝7時に車で出発することを考えると、このまま参加しても明日が辛くなるばかりだし、連絡すればみんなにも迷惑がかかると思い、そのまま帰宅しました。
次の日は、雪こそ降ってはいませんでしたが、霧が発生するほど冷え込んでいます。私は極度の心配性なので雪で車が走れないことを予想していつもの時間よりも30分早く出発しました。
場所は前回一度行っているので、迷うこともありませんでした。道は全然渋滞が無く、勉強会の場所に着いたのは9時ジャスト。10時からの勉強会なのに、1時間も前に到着してしまいました。会場は業者の方も到着したばかりで、寒々しいばかりでした。
暖房がついていないロビーで自分で勝手に暖房のスイッチを入れ、1時間ほど時間までひたすら眠っていました。寝不足で頭がしびれるほどだったので。
講義が始まるとすぐに先生が言いました。
「今日も、前回の続きを行います。まず、講義をする予定になっていますが、まず私が前回の続きと今回のことについて、簡単にデモを行いますから、近くまでも集まってきてください。」
先生の周りに受講生達が集まり、インプラントの型の取り方のデモンストレーションを行っていきます。
インプラントの印象(型を取ること)は、いつもの様に単純に歯の型を採る訳にはいかないのです。ちょっとしたテクニックと、深い理解が必要です。
きちんと、インプラントを骨の中に埋めて、状態が良くても、型の取り方を間違え、変形させてしまうと、全く意味をなさなくなってしまいます。
そのため、慎重にも慎重を期し、かつスピーディーに行って行かなければなりません。
私も大学に在籍していたとき、何度も失敗しては、患者さんや先輩、技工士さんにご迷惑をかけてきました。
感想としては、インプラント本体の形、性能は変わってきているけど、技工処置(歯医者が行う事)は、全く変わっていませんでした。少しほっとしました。
それから各自、自分の歯の模型を使って実習をお昼まで行いました。私が大学にいたときも、このように優しく教えてもらえたら良かったのにと、今初めて講義を受けている先生方がうらやましく思えました。
午後は、少し技工士さんとメーカーによる講義があり、その後、先生の病院へ移動して、患者さんを使って、本日習ったことを実際に行っていただけました。
その後、最新のインプラントシステムについての説明がありました。
最新のインプラントというのは、本当にすごい。インプラントに対する考え方を改めなければいけないかもしれません。
その最新のインプラントは、患者さんの負担がほとんどゼロに近い。
どういう事かというと、まず、インプラントを希望する患者さんの口腔内のCTスキャンを撮ります。そのCTスキャンのデータを元に、メーカーのソフト上でシミュレーションを行います。そのデータをスウェーデンにメールにて送ります。2習慣後に患者さんのデータを元に作られた手術セットと義歯が送られてきます。
歯科医師はその手術セットを患者さんの口の中にセットして、手順通りの手術を行います。しかし、この手術も従来の手術ではなくて、歯肉を大きく切開したりはしません。小さく穴をあけて、その小さな穴からインプラントをCTスキャンのデータで決められたインプラントを埋めていくだけです。出血や痛み腫れといった物はいっさい無く、その場で、歯を入れてしまいます。
つまり、初診から歯が入るまで、本来なら何ヶ月もかかる治療をわずか数週間の間に終わらせ、その間の通院はごくわずかという優れものです。
しかし、このシステムを使いこなすには、豊富なインプラントの設備、知識、経験を要し、しかも豊富な医学的知識、豊富なコンピュータの知識、多くの設備投資が求められます。
今の歯科医療もついにIT革命がやってきたという感じです。
多くの勉強をしなければいけませんが、その多くの努力で患者さんに福音をならすことが出来るとすれば、チャレンジする価値はあるのかもしれません。
しかし、歯科材料とはなぜにこんなに高価なのでしょうか?涙が出ます。
そーですか、IT革命、歯科材料の高価、
でも、確実に私達の口腔にちかずいている、
と思います。
すごいッス…。でも普及すれば肉体的負担が少なく、トラブルも少ないでしょうね。