強靱な精神力と動物園(インプラント講習2)
昨日の続きです。
国道4号線をどんどんすすむと、本当なら国道10号線にぶつかるはずです。しかし、行っても、行っても国道10号線が出てきません。
原因は分かっていました。私が焦っているからです。余裕がある時は周りの景色を楽しみながら運転するのですが、時間的な余裕が失われているため、気持ちが急いでいたのだと思います。
案の定、しばらく行くと、「烏山方面」という標識が出てきました。ほっと一安心。その時の時間が9時10分。標識によれば烏山まで22キロ。微妙です。
しかし、目的地まで、この道をまっすぐ行けば、「近道を探そうかな?」という自分の気持ちに惑わされなければ、たぶん目的にはたどり着けると思います。たぶん。
県道はなだらかなカーブの多い山道。安心感と天気の良さで、少し浮き浮きしてきました。標識には「烏山市街地」まで7キロと出ています。渋滞もないし、たぶん大丈夫だと思います。
烏山市街地は前回訪れた時に散歩しながら覚えたので、市街地の中は自信がありました。
そうこう行っている間に、だんだん、民家等が多くなってきました。いつの間にか標識も「烏山市街地まで」が無くなっています。
も、もしかしてここはもう烏山?すっと焦りがでてきました。だって見たことのない景色なのです。少し車を道路の脇にとめて、地図を確認しました。
「ここは、どこなのだろう?来たことがあるような気もするし。でも全くこの景色は見覚えがない・・・。」と思って道を聞こうと横をみたら、
「おはようございま~す」
見覚えのある担当の方が笑顔で笑っています。
「え・・・・?」
な、なんとそこは会場の真横に横付けして地図を見ていたのです。前回来た方向と逆の方から車で来たために、全く方向感覚が無くなっていたのです。
時間をみたら、9時30分。あんなに焦っていたのに、また1番乗りでした。
今日の実習は豚の顎骨を使って、実際にインプラントを骨に打ち込むというものです。
多くの勉強会に参加してきましたが、豚の顎骨というのは、非常に人間の顎骨と類似しているとのこと。ただ、当たり前ですが、筋肉の付き方や歯の構造は全く違いますし、多少筋肉の付着具合が人間のものより、シンプルな感じがします。
しかし、豚の骨はとても硬くて、インプラントのフィクスチャーと呼ばれるチタン性のネジを打ち込んでいくのが難しいのです。そこがまた良いらしいです。骨が硬い方が難易度が高いし、硬い場合の対処法も一緒に勉強出来るからです。
教えてくれる先生も、親切に教えてくれます。今日の予定は午前中は豚の顎骨を使っての実習。午後は実習と、実際に患者さんの口の中でのインプラントの型をとる見学が組まれています。
しかし、教えてくださる先生はなんて、いい人なのでしょう。経験でしか得ることの出来ないノウハウを、笑いながら笑顔で何でも教えてくれる。
普通は、「ここからは、またアドバンスコースで教えます。」とか、「経験を積めば分かります」とかごまかされてしまうことが多いのです。
私が思うに、たぶん先生は本当に自分に自信があるのだなと思います。逆に怖いです。
「何でも教えてあげます。でも、すべてを教えても、あなたは私と同じようには出来ませんよ。出来るものならやってごらん。」っていわれているように気がして。本当に強い人は、人に秘密を作らないし、常に穏やかなんだなと考えます。先生は強靱な精神力をお持ちなのでしょう。
しかし、お言葉に甘えて、どんどん質問しました。
前回もらったテキストで、今回行う内容は分かっていましたので、予習をしておいたのです。経験から、勉強会は復讐に当てた方が効率が良いのです。知識だけでも頭に入れておくと、実際に実習で手を動かす時に、分からなかった謎が解けて、それでも分からない時は、その時質問出来るからです。
しかし、先生は、笑いながらどんどん的確に質問に答えてくれました。
「これは、かなわないね~」と私。
だいぶひねった意地悪な質問をしたのですが、全く歯が立ちませんでした。
お昼になったので、皆で、最近の近況を話しながら楽しくおしゃべりを楽しみました。
そしたら何と先生はまだ独身だというではないですか。しきりに「先生、結婚したの~」と聞いてくるわけだ。そっちの方は私が教えても・・・・・やっぱりそっちの方も教えられない(泣)。
その時、名札に「ペンギン歯科」と書かれた先生を発見しました。思わず声をかけてしまいました。
「先生は、なぜ、その名前を付けたのですか?ペンギンが好きなのですか?」
いつも自分がされている質問を、自分がするというのは、少し変な気もしますが。
「あ~、これはなんでも良かったのですよ。みんなに覚えてもらいやすい名前の方がいいからね~」と、私と全く同じ意見。
なるほど。考える事は同じなのだな~。なっとく。今日の勉強会はしろくまとペンギンと豚の骨が参加している訳か。動物園みたいだな。
この勉強会のすごい所は、その内容のボリュームと低価格というところです。普通豚の顎骨を使った勉強会は1回が高いところで20万円、安くても5万円以上という事が普通です。しかし、この勉強会は一人2つの豚の顎骨をつけて、ほとんどただの様な安さ。
インプラントメーカーの自信と信念を感じる勉強会です。本当に大満足です。
しかし、勉強会も午後になってくると少し疲れが出てきました。
明後日に続きます。
この先生本当に良い先生ですね
この中で、 「本当に強い人は秘密を作らないで、常に
穏やか」 が心にささりました 、低価格で中身が良くて、
真実とか思いやり、誠 、やさしさが私の中に
入ってきました。