歯科と環境ホルモン2
昨日の続きです。(今日のテキストも『唾液は語る』です)
ビスフェノールAってなに?
ビスフェノールAは、ポリカーボネートやエポキシ樹脂の原材料です。国内では1995年には国内で約28万トンが生成されて70%がポリカーボネイトに、25%がエポキシ樹脂に用いられています。
ポリカーボネートは、主鎖中に炭酸エステル結合を持つ線状高分子で、グリコールまたは二価のフェノールにホスゲンまたは炭酸エステルを反応させて作られます。
通常ポリカーボネートといえば、二価のフェノールとしてビスフェノールAを用いた前記の高分子を指します。
ポリカーボネートは耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性に優れているほか透明性があることから、エンジニアリングプラスティックとして多用されています。
身近なところでは、音楽用のCDやパソコンのCD-ROMの基盤、ほ乳瓶、業務用食器などにも使われています。
また、女性ホルモン(エストロゲン)に近い化学構造をもつため、生物の体内にはいると、女性ホルモンと似た働きをして、マウスの実験では雄の精子の運動能力低下、雌の分娩回数の減少などが報告されています。
環境庁の研究班が1997年にまとめた中間報告のなかで「内分泌攪乱(が疑われる)物質」として六七物質のひとつにリストアップされました。
ビスフェノールA、フタル酸エステル、ノニルフェノールは、川から検出されるので、飲料水にも残留している可能性がありますが、法的な環境基準や水質基準が無く、実態は良く分かっていません。
ビスフェノールAは、プラスチックに硬さ、強靱性、耐熱性を与える原料として広く利用されていますので、プラスチックを作る時に原料であるビスフェノールAのごき一部が反応せずにごく微量の不純物として残ることは避けられず、また廃棄物から何らかの過程で環境中に紛れ込むことも考えられます。
ですから、身の回りにごく微量にビスフェノールAが検出されることはあり得ることです。
ポリカーボネート製食器、ほ乳瓶の他にも、缶入り飲料内側の被膜材の原料として使われることがあり、缶入りのコーヒーやウーロン茶などでは多いものでそれぞれ110ppb、8ppb、缶入りコーンに20~30ppbという報告もされています。“ppb”は、10億分の1を示す濃度で、25メートルプールに1滴の液体を落とした程度の濃度です。
いずれにしても、飲料物、水あるいは大気などを通して口から極微量のビスフェノールAが身体に入り込む可能性はかなりあるといえます。
明日も続きます。
参考文献 唾液は語る 山口昌樹 高井規安共著 工業調査会
環境ホルモン ビスフエノ―ル こわい
何処にでも顔をだしている
人間が作り出した物ですよね