食文化と食生活指針1
私は、「日本学校歯科医」という団体にぞくしているのですが、その団体から送られてきた会報に興味深い記事が書かれていましたので、それをご紹介いたします。
この文献は、「食文化」の継承と「日本型食生活(食生活指針)の推進 というもので、徳島大学 名誉教授 西野瑞穂先生がご執筆なさったものです。
そのなかから気になった事をピックアップします。
私たちが何気なく食事しているものを、私は深く考えたことは、実はあまりありませんでした。これは、私が食事に気を遣っていないということではなくて、正しい食事をしているに決まっていると思っています。今回、自分の食生活を振り返りながら、このブログを書いて見たいと思います。
日本人型食生活
我が国の伝統的食生活パターンは「ごはん」を中心として、大豆、野菜、魚など国内で生産、捕獲される素材を用い、しょうゆ、みそ、だしなどにより調理、味付けされた副食を組み合わされるものが典型的であります。
このようなパターンに、第二次世界大戦後、経済的成長を含む我が国の社会情勢の変化を背景に畜産物や油脂などの摂取が増加し、昭和50年頃には、カロリー摂取量がほぼ満足すべき基準に達し、主食であるお米を中心として畜産物や果実などがバランス良く加わりました。
これが、健康的で豊かな「日本型食生活」が実現しました。
その後、食生活懇談会を開き、「私たちの望ましい食生活-日本型食生活のあり方を求めて-」と題する8項目からなる提案がまとめられました。
1・総熱量(カロリー)の取りすぎを避け、適正な体重の維持に努めること
2・多様な食物をバランスよく食べること
3・お米の基本食料としての役割とその意味を認識すること
4・牛乳の摂取に心がけること
5・脂肪、特に動物性脂肪の取りすぎに注意すること
6・塩や砂糖の取りすぎには注意すること
7・緑黄色野菜や海藻の摂取に心がけること
8・朝食をしっかりとること
なぜ、日本食が崩れてきたか
欧米諸国と比較して優れたバランスを持つ日本型食生活を実現したにもかかわらず、その後、簡単に準備できるパン食の普及により、米の消費が減少する一方、脂肪の消費が年々増加して栄誉のバランスの崩れが見られるようになってきました。
原因のとして考えられるのは、以下のものです
1・子どもの塾通いや残業
2・テレビの深夜放送などにより、家族のライフスタイルに変化が生じ、家族で食事をする 機会が減った
3・2が原因で、個食や孤食、朝食の欠食など食生活の乱れが生じる様になった。
このような偏った食生活により、肥満や糖尿病等が若年者にも及ぶようになり、「成人病」を「生活習慣病」と言い換えなければならない事態となりました。そのために、厚生省は「健康づくりのための食生活指針」を策定、同年11月に農林水産省は日本型食生活の新指針を提案いたしました。
これは、明日へ続きます。
24時間のコンビに、自販機、手軽な弁当産業、レンジ等が
私達を怠慢にしました。