段取り力。
偉い先生が歯科医師会等の会合で、「会からの依頼は断らないでください。必ず成長出来ますから」といった趣旨のお話をする場合があるのです。
私、素朴な疑問で「会の仕事をすると何故成長するのだろう」と考えていたのです。
確かに理事をやっている間はとても大変で、無我夢中だったのですが、「成長したな」という実感は持てました。
今年の7月で6年間やってきた大学同窓会執行部の仕事も引き継ぐことになったのですが、引退間際で、やっと「会からの依頼は断らないでください。必ず成長出来ますから」の「成長」の答えが見つかりました。
それは「段取り力」と「コミュニケーション力」の二つの強化です。
歯科の仕事は「治療」と「再建」を必ず一緒に行わなければいけないので、技術と体力がかなりいるので結構忙しいのです。
「再建」というのは、口は治療中でも、その治療中の歯を使って「会話」したり「食事」をしなければ行けないのです。そのため「治療」だけでは駄目で、例え治療途中の歯であっても蓋をしたり、仮歯を入れたりしないといけません。もちろんその前には治療も行っているのです。そういった一連の治療を全ての患者さんに行っているのですから、かなりの体力勝負となってきます。
そんな忙しい仕事の他に、会の仕事が重なってくると、最初のうちはこんがらがってしまい、円形脱毛症になったり、軽いうつ病になったり、過労で倒れたりしてしまうのです。ホントに何人も病院に入院した先生を見てきました。
しかし、それをなんとか乗り切って行くと、だんだんと自分の本来の仕事以外の仕事も難なくこなせる様になってくるのです。
それは隙間時間の有効活用と仕事(資料や使用道具)の事前準備といった事を普段の仕事中にも常に頭の中で24時間常にシミュレーションしながら一日の仕事量を決めて、実行しているのです。もちろん忘れないように防備録としてメモ帳に書くと、一層精度が高まってきます。
つまり「段取り力」が付くのです。こういった仕事以外の仕事は依頼されたら直ぐにこなしてしまうのが吉です。後回しにしてしまうと、依頼された仕事の細部の記憶が濁ってしまうため、質の高い仕事では無くなってしまうし、次から次へと余計な仕事が巡ってくるので、後回しにして仕事をため込むとミスが増えてしまうからです。
もう一つのコミュニケーション力は残念ながら私は全く身につけませんでした。
とにかく「飲み会」が嫌いなので、嫌われても良いから全て断っていました(いまでは誘われなくなりました・・笑)。
そのため、貴重なコミュニケーション力を磨く懇親会という名の道場を自ら放棄してしてしまったのです。
でもそのため、大きな身体を壊す事は避けられたと思います。
そんな忙しい生活ももう少しで終わりかと思うと嬉しいような悲しいような。
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