強靱なメンタルをお持ちの方には心から敬服いたします。ただ医療に関して、しかも自分の身体に関してはその強靱なメンタルも活用出来ない事が多いみたい。
一例として、自分の歯が痛くてたまらない時に人は赤ちゃんの様にワガママになることが多いようです。肩書きが高いほどワガママになる確率が高いみたいです(どっかの論文で読みました 笑)。
「自分を優先してやってくれ〜〜」みたいな。
なぜ冒頭にこんなことを書いたかといえば、人間の行動はすべてにおいて「感情に左右されている」と言うことがいえるからなのだと思います。もう時効だと思うので話しても大丈夫かなって事で少し「感情」に関する体験をした事があるので書いてみようと思います。
これから書く事はもう5〜6年も前の事です。
私の歯科医院は「噛み合わせ」を軸に治療を行っていますから、噛み合わせでお悩みの患者さんが多いのです。その患者さんもその一人でした。
噛み合わせで怖いのは、噛み合わせが悪いと、人間は「ストレス」の発散が下手なのです。そのためいつもイライラとしている事が多いかもしれません(あくまで自分の感想なのですが)。
その患者さんは自分の噛み合わせが悪い事は認知していたので、いつも相談を受けていたのです。
ただ、今まで多くの歯科医院に通院して、多くの歯を削られて(本当はこの表現は嫌いなのですが)きたので、出来るだけ削らない様な治療をしていました。
そのためか、治療はせず、「今後の治療の相談だけ」という予約が頻繁にあったのです。
問題が起きた日も「治療はせずに相談だけ」の日でした。
歯科医院は予約制なので、その日私は「相談」の準備だけを行い、他に予定を組んでいました。
予定通り、その日も40分くらい歯の相談をしていました。
私はその当時、歯科医師会の理事をしていたのでどうしても出かけないといけなかったのです。
歯科医師会へ行く時間が迫ってきていたので、「では、相談した状態を検討して次回また相談して治療を進めましょう」と、相談を締めくくりました。
ところが、相談後、気が変わったのか「今日、治療してください」との事。
本日は、相談の時間しか取っていなかったので、申し訳ありませんが次回にさせてくださいと伝えました。
その時、患者さんは烈火のごとく怒り出しました。「ここは治療をする場所ではないのか!!」と。
私の事情を説明させて頂いて、本日は「相談の時間しかとっていないこと」「次のアポイントがあること」を説明させて頂きました。
終始お怒りになり、その後その患者さんが来院する事はありませんでした。
今までその患者さんとは良好な関係を築けていたので、とても残念でした。
これはまさに「ピークエンドの法則」では無いか!と思ったものです。
ピークエンドの法則というのは「人はある出来事に対し、感情が最も高まったとき(ピーク)の印象と、最後の印象(エンド)だけで全体的な印象を判断する」という法則です。
今まで良い関係だったのが、最後の悪い印象だけで、当院は「最悪な歯科医院」との烙印をおされてしまったと言うことです。
人間の感情は豹変するので、人間関係は難しいですね。
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