突然の発火1。
先日の事です。
私は個室の診療室で患者さんに説明を行っている最中だったのです。
基本的に初診中に説明時に私に声を掛ける事は厳禁なのです。患者さんへの説明は非常に神経を使うし集中するので、気が散ってしまうと話のテンポが狂ってしまうのです。
そんな状態の時でも構わず、スタッフがこまった顔で個室へ入ってきました。
「先生、診療中すいません、ちょっとよろしいでしょうか?」スタッフの顔はかなり引きつっています。
本当に嫌な予感がしました。医院での緊急事態というのは決まっています。
それは患者さんの体調が急変した時です。歯科では医科の様に命の危険というのはかなり少ないのですが、ゼロではありません。1年に何回かは緊張や体調不良がたたって、気分が悪くなってしまったり意識を失ってしまう患者さんもいらっしゃるのです。
だから、とっさに患者さんが意識を失ったときのガイドラインを頭に浮かべながら個室を出ました。
個室を出たとき、焦げ臭い匂いが漂い、室内が煙りで曇っている状態でした。
「一体、何事なのでしょうか?」とスタッフに聞くと、2番ユニットから突然の発火があったとの事。
私が駆けつけたときも、ユニットから「シュ〜〜!!」という音と共に煙が天井へ上がっていました。
ユニットのスイッチを切っても10分以上煙が立ちこめていました。
私が駆けつけたときはすでに患者さんは待合室へと避難を終了していて、2人のスタッフが消化器を手にして準備していました。
消化器は粉状の液体なので、精密機械へ噴霧してしまうと、その機械を復旧するのはほぼ不可能です。
自動車レース(F1など)では、クラッシュし燃えている車に粉末状の消化器は厳禁です。高額な車体が1発で駄目になってしまうので、二酸化炭素が噴霧する消化器と決まっています(韓国のF1レースで粉末状の消化器を使用して車を破壊してしまい、いくつかの対応が悪く韓国F1グランプリは無くなった過去があります)。
そういった理由で、消化器を使うのはちょっと待って貰い、室内の換気をしっかりと行い、煙が出なくなるまで見守りました(この対応が良かったのかは今でも分かりません)。
ユニットから煙りが出なくなったため、そのユニットの使用を禁止して、安全を確認した後に私はまた初診の患者さんの元へ戻って診療を続けました。
午後一にメーカーさんと歯科材料さんが血相を変えて来てくれました(いつもありがとうございます)。
確認した所、内部の基板が燃えて黒焦げになっていたそうです。
明日へ続く。
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