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しろくま先生のブログ
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2022年12月26日 (月)

エビデンス、エビデンス、エビデンス。

先週、zoomにて研修を受けました。

その研修は第1期治療の研修、いわゆる小児の矯正の研修だったのです。

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話の途中で、子供の矯正はあまり意味が無いってエビデンスがあるって話になったのです。

で、少し講師が時間をとって「エビデンス(科学的根拠)」とはなんぞやって話になりました。

これが実に興味深かったため本日ご紹介します。

私の業界は、「これはエビデンスと違う治療方法だから偽物」とか「エビデンスを見てみろ!」などとエビデンス(科学的根拠)を盾に反論してくる先生達もいらっしゃいます。

最近、言われたのは「顎関節は矯正では治らないというエビデンスがある。嘘をまき散らすな」というもの。

しかし、エビデンスは無いかもしれないが、症状がよくなり安定してくることも事実。

おっと、話がそれました。

医学的エビデンス(科学的根拠)とは、エビデンスレベルというヒエラルキーがあります。

一番下位層が「専門家の意見」。

上に上がるに従って「症例報告」→「コホート研究・症例対照研究」→「非ランダム化比較試験」→「ランダム化比較試験」→「システマティックレビュー ランダム化比較試験のメタアナリシス」という順番になっています。

その中でいわゆるエビデンスというは、上から二番目のランダム化比較試験の結果の事を指すのです。

そして、そのエビデンスが医科や歯科のガイドラインとなります。

このエビデンスいわゆる科学的根拠ってやつですが、科学的根拠の原則があって、「科学理論の客観性を保証するためには、その 仮説が実験や観察によって反証される可能性が なければならない。」と言うことなのです(反証可能性 カール・ムンライト・ポパー)。

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つまり、

「科学理論は反証される潜在性をもつ仮説の集 まりであり、反証に対して抵抗力のある(=反 証に対してき ちんと反論できる)ものが信頼性 の高い科学理論である。」

と言うことなのです。

言い換えれば「エビデンス=真実」では無く、「エビデンス=仮説」と言うことです。

仮説が成り立たなければ科学的根拠と言えないのです。

つまり、エビデンスは時が経てばコロコロと変わるって事です。

最近のPubmedという世界中の論文を掲載しているレビューによれば、

「100編の治療に関するシス テマティックレビューを追跡調査したところ、その結果が覆るまでのエビデンス 生存期間は5.5年だった」

つまりエビデンスとは仮説で反証される可能性を残している為に信憑性が高いのです。

何十年も前に常識だったエビデンスを盾に「それはエビデンスとは違う」という方が間違っているのです。

医療界にいる限り、いつエビデンスが反証され新たなエビデンス(医学的ガイドライン)が生まれるか分からないので、常に最新の論文を読み備える事が重要ですよね。

だって、最近のエビデンスの平均寿命が5年なんだから。

100年前の医学の常識は今の医学の非常識なのです。

早く、コロナのエビデンスが覆り、マスクの無い社会が戻って欲しいものです。