山をはる(当院の患者さんは読まないでください 笑)
大学生の頃、全く勉強が出来ませんでした。勉強はしていたのですが点数が取れなかったのです。
そんな私を見て哀れに思ったのか、優秀な友人が私に助言してくれました。
「猪狩さあ、お前勉強するとき、山をはってそこを中心に勉強しているだろ?」と言われたのです。
あまりに当たり前の事に「そんなの皆そうなんじゃないの」と返答。
「その勉強の仕方だと、山が当たった時のリターンは大きいけど、外れたときはリスクも大きいよね」と核心をつく返答。
「それは勉強の考え方を変えた方がいいよ、山をはるというのは、一応すべての範囲を勉強してから、出そうなところを集中的に勉強する事をいうんだよ」
冷静に考えればその通りなんです。実は一番難しいのは当たり前の事が当たり前過ぎて分からない事なのかもしれません。
なぜこんな事を思ったのかといえば、最近の営業マンは自分の売り込みたいことはしっかり勉強してきて来るのに(それをマシンガンのごとく矢継ぎ早に連呼してくるのです。まるで、この商品を買えばすべてがうまく行くみたいに)、医院の事情をあまり考えない輩が多すぎるのです。
営業マンの成績を試験勉強に例えて考えてみると、その営業マンの試験範囲(売り込みたい商品)はそこじゃないのです。営業は相手があってこその商売。相手がどういう心理状態かを考えないで自分のいいたいことばかりを言って満足しているなら、発情期の猿といっしょです(笑)。
営業マンの試験(成績)は、その売り込みたい歯科医院の特徴(どんな診療が得意なのか?どんな商品が売れる傾向があるのか等々)や院長の性格までを把握するまでが範囲です(笑)。
だから、売り込む相手の心理状況をよく観察しながら、「今回はやめておいた方が良い」とか「今日は機嫌がいいから売り込もう」とか「最近は患者さんの数が減っているからしばらくは高額商品は売り込みをやめよう」といった、相手の心理的な状態を把握して行うものです。
だから、腕は良いのに経営が下手な先生は、患者さんの心理的、経済的状況を鑑みずに自費診療だけが素晴らしいと行って無理に高額医療を押しつけてしまうのです(もちろん、丁寧な説明をして、自費の治療でしか救うことが出来ない場合は別ですけど)。一歩引く事が重要なのです。
軽自動車が好きな方は、維持費の安さや乗り回しの快適さ、優れた扱いやすさに惚れて軽自動車を選んでいるのに、そういった方にベンツの営業をかけてもうまく行くはずが無いです。無理に押しつけて治療を行ったとしても、多分次は転院してしまうかも。目の前の大きな金額をとって関係を終わらせるよりも、長年付き合っていった方が医院にとっても患者さんにとってもハッピーなはず。
息の長い付き合いを目指した方がいいと経営的には思います。
〔ちなみにH社のS支店長はその辺は天才的に巧みです。いつもやられています・・・泣〕
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