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しろくま先生のブログ
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2021年5月13日 (木)

ノマドランド

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第93回アカデミー賞で3部門(作品賞、監督賞、主演女優賞)を獲得した「ノマドランド」をGWの最終日に鑑賞してきました。

実はこの映画は、アカデミー賞の発表の前から評判が良く、映画好きの間では「観た? もちろん観たよ」とささやき合うほどの地味だけど必ず鑑賞しないとねっていう映画だったのです。

アカデミー賞の発表のずっと前から奥さんと「観に行きたい」って言っていた映画だったのです。

今回は、奥さんの都合が付かず、一人で福島のフォーラムさんに鑑賞してきた事を書きたいと思います。

この映画の題名となっている「ノマド」とはもともと遊牧民や浮浪者という意味で、最近では特定の働くオフィスを持たないで働く人(ノマド・ワーカー)、働き方を指します。最近のテレワークもこの1種と言われています。

主人公のファーンは、企業の破綻とともに、住んでいた町自体も無くなってしまい、資産と自宅を失ってしまった女性。自分の財産を殆ど処分し、自分の大切な思い出と最小限の家財道具を車に詰め込んで、路上(車内)生活をしつつ、企業の日雇い仕事をしながら全米を駆け回るという映画。かなりざっくりと言えば。 

やはり老女の一人ノマド生活。幾多の困難が彼女を襲いますが、同じノマドワーカー達に助けられながら、たくましく、強く生きていくのです。

この映画を鑑賞して感じたのは、人間は困難があればあるほど、自己防衛能力が高まっていくと言うこと。恵まれた生活を送っている人ほど、自殺を考えたり、自己破産を考えたりするけど、もはや何も無く、藁をもすがる生活をしている人ほど「生」に執着し、たくましく「生きる」という可能性(道)を模索するって事。

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コロナで精神的に弱っている昨今、今回のアカデミー賞を3部門も受賞するというのは、こういったメッセージをアカデミー会員の方々は感じとったのかもしれませんね。

小説家の村上春樹さんが昔どこかのエッセイに書いていた事なのですが、「長編小説は、結論的なものを書く必要があるけど、短編小説は、結論的なものは書く必要がない。読者が自分の判断で結論や結末を想像しても良いのではないか」と言うことを書いていたのですが、この映画は、まさに短編映画のよう。

どんな結論を抱くかは、鑑賞した人によってまちまちだと思います。その時の自分の体調や精神状態によって結末が変わってくるのかなって思います。だから結論は書かないことにします。ただ、DVDは買うかもしれないって書いておきます(笑)。

ちょっとネタバレになっちゃいますが、映画の終盤で、こんな会話(かなり要約ですが)が交わされます。

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「定住している人には、別れがあるけど、我々ノマドは、いつも別れを経験している。しかし、それは(さよなら)では無く、(またね)って事。1ヶ月後に再会することもあれば、3年度に会うこともある。だから死に別れてしまった(息子や旦那)にも、どこかで会える様なきがするんだよ。だから、私はまた息子(彼の息子は自殺してしまっている)に会える様な気がして、この生活(旅)をやめられないんだよ」

先ほど、結論は人ぞれぞれと書きましたが、この映画の本題はこの事かもしれません。主人公のファーンは家財道具は捨てられたけど、旦那の思いとお父さんの思い出の「皿」だけは捨てられない。旅を続ける限り、思い出が風化しないと信じているのかもしれない。

主人公のファーンを演じているフランシス・マクドーマンド。ついこないだ「スリー・ビルボード」でアカデミーを受賞した勝ち気な女性(笑)。私はそれよりもジョエル・コーエンの奥さんで「コーエン兄弟映画女優」という印象が強いのですが、とても良い女優さんですよね。安心感が半端ない。

今はコロナで職業を失った方が多くいます。本当にお気の毒です。そういう方々には是非鑑賞してもらいたいです。

今回は、一人で映画を見に来てしまったので、帰りに福島名物の「円盤餃子」を買って帰ろうと思ったのですが、「臨時休業」でした(泣)

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