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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
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2020年7月 3日 (金)

ファイスボウトランスファー。

人間の口は、当たりまですが、上顎は頭蓋骨にくっついていて動きません。「喋る、食べる」といった発音行動、食事行動は、下顎が上顎に向かって上がっていくことによって成り立ちます。

絶対にエイリアンの口の様に上顎と下顎がサラダやパスタを掴むトンガのように「パチッ!」と合わさる様には出来ていません。

下顎は大まかにいえば、左右の顎関節部の2箇所で上顎と繋がっていますので、丁度ブランコの様です。

ですから、いつも「ブラ〜〜ン」としていて、口も半開き(安静位空隙といいます)なんです。

下顎が持ち上がっていって、上顎とピタッと合わさった箇所をいわゆる「噛み合わせ」と呼んでいます。

ただ、歯並びが悪かったり、顎関節症だったりすると下顎が上顎に合わさる位置が不安定になります。

下顎の位置が安定しないのです。

100人の噛み合わせがあったとすると、100人全て噛み合わせが違います。

そのため、被せものや分析を行う際は、下顎の位置(これを下顎位といいます)をしっかりと決める必要があります。

噛み合わせの初期の初期の工程に「ファイスボウトランスファー」というものがあります。

これは、患者さんの上顎骨と顎関節部の位置決めをする工程です。

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上顎の位置決めを行ったら、被せものや入れ歯を作る咬合器といわれる器械に患者さんの口の噛み合わせ(顔弓・ファイスボウ)の情報を移行(トランスファー)するのです。

この工程をパスして、技工物を作製すると被せものの早期接触位置が定まらない為に、下顎位が安定せず、被せものの形が不正確になりやすいため、調整時間が掛かり、治療時間が大幅に係ります。

これはなにも自費の治療だけに選択するものではありません。

保険の治療でも必ず必要な行程です。

当院にはフェイスボウと咬合器が沢山あるのですが、そのうちの幾つかが使いすぎのため故障してしまいました。

歯科商材の岩瀨歯科商会の齋藤くんには、「フェイスボウを壊れるまで使う歯科医院はあんまり聞いた事がない」と苦笑されました。

私は当たり前と思っていたこのフェイスボウって、あまりやっている先生が少ないのだそうです。

でも、院内技工じゃないと難しいかもしれません(私も院内技工じゃなかったら使わないかも)。

しかし、一度に3個も壊れてしまい、ファイスボウが足りません。

修理にするか購入するか、悩ましい所。

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