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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
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当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

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2019年8月12日 (月)

非常事態

先月のインプラントの手術のあった日のドタバタした話です。
私はインプラントの手術はガイデッドサージェリーというコンピュータで設計したガイドを持ちいて手術をするようにしています。
インプラント用のガイドというのは、インプラントを埋入する際に使用する形成ドリルの角度、深度等をコンピュータで計測してCAD/CAMにて削り出しで患者さん一人一人オーダーメイドで作成する口腔内装着用マイスピース型手術補助器具です。
この器具を用いる事により、インプラントの手術の失敗はほぼ99.9%無くなります(ただ、術者のスキルの問題で埋入する際のドリルの扱いで0.1%の失敗があります)。
このガイドを作成してインプラントを埋入する事は、現在ではスタンダードな事になりつつありますが、それはあくまで複数本の埋入で用いる事が殆どです。1本でこのガイデッドサージェリーを用いる先生はまだまれです。
しかし、私はインプラント1本の埋入からこのガイデッドサージェリーを使用しています。やはり、施術中の余計なストレスから解放されますし、目標到達深度と正確な傾斜角度が確保されると治療終了後のメインテナンスが大変コントロールしやすく、術後のインプラントの安定向上に一役買うことが出来るからです。
しろくまのインプラント治療費は高いというクレームが入りますが、材料費の高い最高級のインプラント本体(ノーネルバイオケア社のインプラント)と最高の安全を確保する為には、やはりこのガイドサージェリー(作成費がかなりかかります)を使ったインプラント手術は欠かせないものとなっています。私にとって(安全はお金に変えられませんから)。
ガイデッドサージェリー手術のもう一つの利点として手術の直前まで、設計を行ったパソコンで手術のシミュレーションを繰り返し、繰り返し行う事が出来ます。
何度も、何度も、何度も、何度もです(笑)
だから、実際の手術をする時には患者さんの実際の骨の形が頭に入っていて、迷わずに手術を行えます。
ただ、CTのデータは患者さんの骨の軟らかさ如何によっては、ガイデッドサージェリー用のパソコンに投影されないこともあるので、注意が必要なのです。
ですから、手術中もガイデッドサージェリー用のパソコンを手術室のモニターに接続出来る様にしてあって、手術中もそのモニターを確認しながら手術を丁寧に進めます。
その日もいつもの手術の朝のルーティンに従って、メインのパソコンから手術室に持ち込むノートパソコンにガイデッドサージェリー用のデータを移そうとしました。
しかし、なぜかデータが移せないのです。
私が長年使用しているガイド用のパソコンはもう10年以上使っている年期の入ったノート(現在メインで使用しているパソコンの前のメインのパソコンでした)なのですが、それがいつの間には寿命を迎えてしまった様なのです。ウンともスンとも言わず、沈黙したままです。
「あちゃ〜〜、やっちまったな〜」と思っても後の祭り。
手術は午後いちで予定されています。
すぐに、メーカーのノーベルバイオケアの担当さんに連絡。
しかし、間の悪いことに私の担当さんは現在、仙台と山形の県境にいるらしく、当院に来ることは当然無理。
仕方が無くこの日は、ガイドの情報なしで手術しないといけないかなって思いました(基本的には手術室に持ち込む先生はまれなので、無くても十分信頼性は充分です。私が心配症なだけ)。
でも、この担当さん、電話で新しい私のマックのノートパソコンにインストールを試みる事を提案してくれました。
診療中の時間が限られた中、メールと電話を駆使して、なんとか新しいマックにガイドのソフトをインストールすることに成功しました。
無事に手術に間に合いました。もちろんその日の手術も問題なく大成功したのは言うまでもありません(笑)。

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